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2014.12.04

重加算税の厳格な要件とは?

今回のテーマは『重加算税の厳格な要件とは』です。

弊社に税理士の皆さんから
税務調査でお困りの案件が多く持ち込まれています。

最近の相談で最も多い相談の1つが
「重加算税の賦課」に関するものです。

“税務調査の過程で税理士も知らなかった売上の漏れなどが発覚した!”

もちろん増差所得が発生するのは仕方がないのですが、
調査官は『重加算税』だと言い切っているので反論したい。

『重加算税』が賦課される要件として、
まず、国税通則法第68条第1,2項に規定されている通り、
「隠ぺい又は仮装」に該当するかどうかが基準になります。

つまり一義的に言えば、「隠ぺい又は仮装」に
該当しない限り重加算税は賦課されません。

ここで問題になるのは具体的に「隠ぺい又は仮装」
に該当するケースは何なのか、という部分です。

極端なケースになると、単純な期ズレですら
売上除外として平然と「重加算税だ」と切りだしてくる調査官も
後を絶ちませんが、これは明らかな”間違い”です。

何をもって「隠ぺい又は仮装」かと判断する場合に非常に重要なのが、
国税庁長官から平成12年7月3日に出されている下記の事務運営指針です。

【 法人税の重加算税の取扱いについて 】

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703-2/01.htm

この文書をよく読んでいただきたいのですが、
第1「賦課基準」の3に書かれている
「帳簿書類の隠匿、虚偽記載等に該当しない場合」です。

次に掲げる場合で、当該行為が相手方との通謀又は
証ひょう書類等の破棄、隠匿若しくは改ざんによるもの等でないときは、帳簿書類の隠匿、虚偽記載等に該当しない。

(1)売上げ等の収入の計上を繰り延べている場合において、
その売上げ等の収入が翌事業年度(その事業年度が連結事業年度に
該当する場合には、翌連結事業年度。(2)において同じ。)
の収益に計上されていることが確認されたとき。

(2)経費(原価に算入される費用を含む。)の繰上計上をしている場合において、
その経費がその翌事業年度に支出されたことが確認されたとき。

(3)棚卸資産の評価換えにより過少評価をしている場合。

(4)確定した決算の基礎となった帳簿に、交際費等又は寄附金のように
損金算入について制限のある費用を単に他の費用科目に計上している場合。

皆さんはこれらに該当する、つまり重加算税の要件を満たしていない場合でも、
調査官が「これは重加算税です」と言われれば「そうなのか」と
勝手に納得していませんか?

重加算税かどうかは微妙な判断が伴いますので、
まずは調査官の言っていることをその場で受入れないことです。

また調査官に「重加算税の要件を満たしていない」ことを主張したい場合、上記事務運営指針を提示しましょう。

 

※2010年10月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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