• HOME
  •  › ブログ
  •  › 青色を取消す!と言われたら?
2014.12.18

青色を取消す!と言われたら?

今回は『青色申告取消事由』です。

先日ある税理士から質問を受けました。

「経費を複式簿記にしていないのですが、
これって青色申告の要件に該当しないので税務調査で
青色申告を取り消されることはあるのでしょうか?」
という内容でした。

経費を複式簿記にしていないとは、つまり現金出納帳をつけずに
経費を全て代表等が仮払したことで計上し、その後会社から精算される
方法で経理処理していることになります。

当然ながらこの経理処理に採用しますと、経費と仮払いを計上、
その後仮払いと現金を相殺するだけの処理になります。

さて、一部の経理処理において複式簿記をしていないだけで
青色申告の要件を満たしていない=青色申告が取消されるのでしょうか?

課税庁側が青色申告を推奨しているのは、納税者ができるだけ
青色申告をしてもらうことによって、帳簿の記載を詳細に、
また帳票類をしっかり保存してもらうことを意図したものです。

そのため税法では青色申告の特典を付与しているのです。

ここで課税庁が厳格に青色申告の要件を捉え、
少しでも要件を満たしていなかった場合に
青色申告の取消しをするとは考えにくいのです。

青色申告の取消しに関しては
下記で国税庁が事務運営指針を公開しています。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703-3/01.htm

事務運営指針によると、税務調査において

①帳簿書類を提示しない場合
②重加算税要件(=隠ぺい、仮装等)の場合

等が例示されています、

つまり、課税庁側も青色申告の取消しについてはかなり厳格な要件を
定めており、複式簿記を一部してないくらいでは実務上青色申告の取消し
にはならない、ということが言えます。

調査官から「青色を取消しますよ」と言われた場合、
上記の事務運営指針に則っているのかどうかを確認してください。

 

※2010年12月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。