2015.02.06

6月だからできる方法

さて、6月上旬になると、春の税務調査も

大詰めを迎えていることでしょう。

はっきり言いますが、この時期の税務調査は
納税者の言い分が通りやすい絶好の時期です。

国税は6月30日に人事異動が発表になります。
そして7月10日に実際の人事異動があります。

国税の考え方でいうと、

暦年:1月~12月
年度:4月~3月
事務年度:7月~6月

ご存知の通り、税務署は約3年に1回のペースで人事異動があります。

人事異動は事務年度で行われ、
調査官も約3分の1は異動になるのです。

ですから、この時期になると税務署内部では統括官から
「6月中旬までに調査を全て終わらせるように」
という指示が飛んでいます。

6月下旬まで調査が長引いてしまうと、
7月10日の異動日をまたいでしまう可能性があるので、
早めに終わらせるようにしているのです。

ちょうどこの時期、調査官も納税者や税理士には
言わなくても内心は、早く調査を終わらせたいのです。

この時期にまだモメている調査案件をお持ちの方は、
調査官が痺れをきらして連絡してくるまで、
対応や回答を引き延ばすことが交渉上、非常に有利です。

調査官も本当は否認したい箇所も、
早く調査を終わらせたい一心で、
「この部分は是認しますので修正申告してください」
と言いだしてくるのです。

実際に弊社でまだ終了していない案件は、
調査官が是認と否認の区分けを自分から提示してきました。
これがこの時期だけの特徴です。

この時期は今すぐ決着をつけようと思わず、
「他の調査で忙しい」や「回答根拠を考えている」
などと言って、調査の結末を延ばすことが得策です。

この時期より後にズレると、終らせたいだけの調査官と、
納得しないと修正申告しないと言い張る納税者の
交渉による力関係は歴然としてきます。

またあまり無いとは思いますが、今の時期に連絡があり、
開始される税務調査については、調査官が
事務年度内の調査件数が足りないから行う、
実質的な消化案件に近いはずです。
こんな連絡があったら「ラッキー」だと思うべきです。

なお、特官部門や特別調査部門には上記の交渉が
通じないので注意が必要です。

なぜなら、一般の調査部門と違い、
特官部門や特別調査部門は一部の調査官が異動になっても、
他の調査官が異動にならず、同じ部門に残るため、
7月10日をまたいでも平気だからです。
(一般の調査部門は通常、部門が変わります)

秋にはできない交渉のやり方がこの時期だけはできるので、
ぜひうまく活用してください。

 

※2011年6月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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