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2021.11.30

7年前の修正申告を提出してしまった場合

※2020年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

先週水曜の本メルマガでは、更正の除斥期間と
税務調査の対象期間はリンクする旨の
解説をしましたが、今回のメルマガでは、
偽りその他不正の行為がないにもかかわらず、
6~7年前の修正申告を提出してしまった
場合の対応について解説します。

先週のメルマガで取り上げたとおり、
調査官によっては、根拠も明確ではなく
7年間の税務調査を実施するケースもあれば、
偽りその他不正の行為=脱税行為が無い
にもかかわらず、6~7年前の
修正申告提出を求められる場合もあります。

すでに解説したとおり、

偽りその他不正の行為がない

更正の除斥期間は「5年」
(さらには、国税の徴収権の
消滅時効も5年となっている)

ことから、6~7年前分の修正申告
については、効果・効力のない申告として
【過誤納】を請求することができます。

なおこの請求は、税務署からの
処分に対する申立てではないため、
不服申立ての対象にはならず、
税務署に対して直接行うことになります
(あわせて、更正の請求の期限も
徒過していることも注意してください)。

ここで大事な論点は、誤って
6~7年前の修正申告を提出した調査
において、あくまでも
偽りその他不正の行為が認められなかった
と主張できることであって税務署としては
税務調査内では触れていなかったとしても
偽りその他不正の行為があった
(から6~7年前の修正申告も有効)
と反論してくるケースもあります。

偽りその他不正の行為と重加算税の
要件は相違します

「重加算税と偽りその他不正の行為」

が、それでも7年遡及であれば
重加算税が課される税務調査がほとんどなので
重加算税を賦課されていないことを
根拠に請求することも可能でしょう。

なお、偽りその他不正の行為は
国税側の認定によるものですから、
原則としてその立証責任は
国税側にあると認識してください。

「『偽りその他不正の行為』の立証責任」

調査対象期間・更正の除斥期間を
理解していないと、誤って7年分の
修正申告を提出しまうこともありますが、
それも過誤納請求することが可能です。
ぜひ、注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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