2014.09.12

調査官の情報収集活動-その2-

《調査官の情報収集活動-その2-》

税務署には、資料部門というセクションがあります。

この部門は、どのような仕事をしているかと言いますと、
雑誌などを眺めては、広告のページなどの切り抜き集めています。

皆さんもご覧になったことがあると思います。
雑誌の裏表紙に掲載された「幸福を呼ぶネックレス」などの広告。

一面に広告が出せるということは、相当な収益が見込めなければ
出稿できるモノではありません。過去にも実績があったことが予想されます。

この手の広告は、似たような商品がいろいろな雑誌に掲載されています。
販売元の社名も違うことで、随分たくさんの会社があるようにも思えます。

しかし、実際にはそれらがマンションの一室に存在し
発送作業はすべてアウトソーシング、経営者は家族三人
役員報酬6,000万円という莫大な利益を得ていたケースもありました。

これらの実態は、会社の申告書だけでは見抜くことができません。
その為にこういった日々の情報収集が物を言うのです。

同様に風俗店の広告も大変貴重な情報源となります。

風俗店は、会社経営ではないので、経営者の正確な情報が掴みづらいのです。
マンションの一室で営業するような無許可の店舗も多く、
店名も短期間でコロコロと変わります。

しかし、こういった風俗の業種は新聞・雑誌・フリーペーパーなどに
どうしても集客を頼らざるを得ません。

ですから広告を調べることで、店舗の場所を捜し出すことができるのです。

大きな繁華街では、調査官が定期的に店舗の場所や店名を
地道に歩きながらエリア一帯を調査します。

無許可店や外国人労働者を不法に雇用するなどの実態を
調査するために、警察と連携をすることもあります。

これらの風俗店は、暴力団の資金源になっていることも多く
その全容を解明するため、まず税務調査に入るケースもあるのです。

店の帳簿を調べていくと、高額な書籍購入代といった様々な使途不明金が
浮かび上がり、これらお金の流れを辿ることで、大元をつきとめることができます。

また、そこで働く女性従業員などに支払われる給与から
きちんと個人の確定申告がなされているかなど、その調査は細かく行われます。

昼間は会社員として仕事をしながら、夜はキャバクラでアルバイト。
そういった副業をする女性も増えてきました。

市や区の役所に問い合わせすれば、住民税などからおのずと年収がわかります。
副業分は、確定申告をしなくてもバレないと安易に考えてはいけません。

このように広告は、ひとつの店舗の脱税だけではなく、
個人に至るまで多岐に調査対象が広がっていく貴重な情報源なのです。

 

※2009年9月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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