株式譲渡承認請求の必要性2
※2024年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、前回に引き続き
「株式譲渡承認請求の必要性2」です。
前回は、税理士が見落としがちな
自社株贈与における
「株式譲渡承認請求の必要性」を概観しました。
今回は、「祖父が孫へ遺贈する場面」
から検証します。
この場面で税理士として検証するのは
1.株価評価
2.納税資金確保(2割加算)
3.相続金庫株(措法39)
相続金庫株の会社法手続としては、以下があります。
・特別決議(会社法309(2)二)
・財源規制(分配可能額:会社法461(1))
・相続金庫株時の売主追加請求なし(会社法162)
それでは、祖父から孫への遺贈の場合、
前回取り上げた「株式譲渡承認請求」は必要でしょうか。
一般承継(包括承継)である「相続」「合併」などは
「株式譲渡承認請求」は不要となります。
しかしながら、祖父から孫への自社株遺贈は
特定承継に該当するため、「株式譲渡承認請求」が必要となります。
つまり、一般承継(包括承継)以外では、
「株式譲渡承認請求」が必要になるということです。
遺贈とは「遺言」を使って「贈与」することですので
贈与と同様に承認手続が必要となります。
譲渡承認機関が取締役会であった場合、
孫の存在を排除したい取締役が過半数を握っていれば
孫への遺贈につき、承認されないリスクが生じます。
そのため、孫へ自社株を確実に移転させたい場合には、
孫を養子縁組しておき、「相続」を原因として
承継させる方が無難と考えます。
もちろん、相続発生時までに株価が高騰してしまう
状況の場合には、生前に移転させるために
贈与を選択することになることはいうまでもありません。
・税務視点からの検討
・法務視点からの検証
何を重視するかの選択になりますが、
承認機関で確実に承認を得られる状況であれば
税務視点からの検証が優先されるものになる
可能性が高くなります。
税理士であったとしても
全体のバランスを重視して対策の提案をする
必要があると考えます。
また、例えば、
「子(成年)が保有する自社株につき、
子の議決権行使を親へ託すために、自社株につき、
民事信託契約を締結する場合」を想定してみてください。
民事信託では、倒産隔離のために名義変更が
要求されます。
信託財産が預金であれば「信託口口座」に
委託者の預金を移動させることになります。
自社株であれば、株主名簿の名義書換が
要求されることになります。
この場合、「株式譲渡承認請求」
は必要となるのでしょうか。
結論としては、
「株式譲渡承認請求」が必要とされます。
信託財産が信託受益権化されますが、
通常は自益信託(委託者=受益者)としますが、
所有者名義は受託者へ移転することになるため、
これも「株式譲渡」に該当することになります。
名義が変更になる場面は、
一般承継(包括承継)以外は「株式譲渡承認請求」が必要になると考えておく必要があります。
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