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2015.10.15

印紙税の事前通知について

過去のメルマガにおいて、「税理士は
印紙税の立会いができない」と配信したところ、
反響が非常に大きかったので、私自身驚いています。

さて、先日のブログを見てフッと思った税理士も多いのでは?
「事前通知の際に、印紙税って言われたかな??」

今回のブログでは、印紙税の事前通知について配信します。

結論から先に書いておくと、国税内のルールでは、
事前通知の際に印紙税は「含めない」ものとして規定しています。

税務調査の手続き改正を控えた時期に、
新たに出された個別通達には下記の内容があります。

「個通 調査手続等に関する当面の事務実施要領について(法人課税事務関係)
(指示) 平成24年9月20日 課法4-51ほか3課共同」

(2)調査対象税目
法人課税部門における実地の調査においては、原則として、法人税、消費税
及び源泉所得税を事前通知の調査対象税目とする。
(中略)
なお、原則として、印紙税は事前通知の際の調査対象税目には含めないが、
調査着手後、法人税等の調査の過程において印紙税の不納付文書(納付方法が
印紙貼付によるものに限る。)を把握した場合には、事前通知事項以外の事項
として調査対象に追加することを納税義務者等に説明した上で調査することに
留意する。おって、印紙税の同時処理に当たっての調査手続に当たっては、
平成24年9月20日付課消4-28ほか4課共同「調査手続等に関する当面の
事務実施要領について(間接諸税事務関係)」(指示)によることとする。

このように、事前通知に印紙税は含めなくても、
追加で調査対象にすることを規定しています。

では、「調査手続等に関する当面の事務実施要領について
(間接諸税事務関係)」(指示)では何と書かれているか?

2 事前通知に関する手続
(1)印紙税の調査における事前通知の相手方
(略)
印紙税については、税理士法上の税理士業務の対象税目から除かれていることから、
納税義務者から事前通知事項の詳細(実地の調査を行う旨以外の通知事項)
について税務代理人を通じて納税義務者に通知して差し支えない旨の申立てが
あった場合であっても、印紙税の調査に当たっての法令上の事前通知については、
必ず納税義務者に対して事前通知事項の全てを通知することに留意する。

というわけで、国税内のルールでも明確に、税理士は
印紙税の立会いができないことを前提として
ルールを定めているというわけです。

さらに同個別通達内には、印紙税に関する
調査終了の際の手続を定めています。

3 調査終了の際の手続
印紙税単独調査(印紙貼付分)における調査終了の際の手続に当たっては、
次のとおり行う。
(1) 調査結果の説明書の作成等
イ 印紙税法第20条第2項の規定に基づく過怠税賦課決定(1.1倍過怠税)
納税義務者が不納付事実の申出をする意思があると認められる場合には、
調査担当者は、納税義務者が行った自主監査の内容が相当であることを確認
した上で、印紙税法第20条第2項の規定に基づく過怠税を賦課決定すべき
と認めた非違事項の内容及び印紙税不納付事実申出書が提出された場合の
過怠税の金額等を記載した「調査結果の説明書」を作成し、審理担当官の審理、
統括官等の決裁を受ける。その後、調査担当者は、作成した調査結果の説明書
に基づき、納税義務者に対して調査結果の内容の説明を行う。
なお、調査結果の内容の説明に当たっては、上記2(1)の事前通知と
同様、印紙税は税理士法上の税理士業務の対象税目から除かれていることから、
必ず納税義務者に対して印紙税に係る調査結果の内容の説明を行う
必要があることに留意する。

このように徹底して、印紙税が「税理士業務の対象税目から
除かれている」として、ルールを規定しているわけです。

メルマガ等で私は常に、「調査官は内部の規定を知らない」と
言っている通り、この印紙税に関する規定も
多くの調査官が知らないことが予想されます。

しかし先週も書いたとおり、税務調査において調査官と
無用なトラブルを避けるためには、印紙税の事前通知や
立会いについてモメるのは得策ではありませんし、
私が知っている限りでも実際に起こっているのです。

印紙税については、課税文書の分類以前の問題として、
事前通知・立会い・調査終了の際の手続きに関して
十分に注意していただきたいと思います。

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

※2013年10月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

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