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2020.11.06

「青色取消し」という脅し

※2019年5月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

国税は6月で事務年度が終わり、その後
異動等をひかえていますから、春の税務調査も
この時期が終盤で、かつ勝負所です。

さて、この時期になるとよくあるのが、
「修正申告に応じないのであれば
青色申告の取消しをしますよ」
という調査官からの【脅し】です。

今回と来週のメルマガでは、税務調査で
「青色の取消し」と指摘された場合に、
適正に反論する方法について解説します。

先日あった質問・相談の概略は下記です。

・社長が会社に渡す領収証の中に、
私的経費の領収証が混在していた

・調査官は「役員賞与」と指摘

・税理士は「役員借入金の返済」と反論

・調査官はどうしても役員賞与にしたいのか、
「帳簿自体が誤りということであれば、
青色申告の取消しもあり得る」と言ってきた

この流れを見ると、「役員賞与を受け入れない
のであれば、青色取消しするぞ」という
脅し以外の何物でもないわけですが、一方で
青色取消しをほのめかされた場合に、その場で
適正に反論できれば、このような
脅しをされずに済む、というのも事実です。

青色(申告の承認)取消しには当然、
法的要件が存在します。

法人税法第127条、所得税法第150条が
その法律要件を規定したものですが、
まとめると下記のようになっています。

1 帳簿書類の備付け、記録又は保存が財務省令で
定めるところに従って行われていないこと

2 帳簿書類について税務署長の指示に従わなかったこと

3 帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は
仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は
記録をした事項の全体についてその真実性を
疑うに足りる相当の理由があること

これらに加えて、法人(税)のみ
「期限後申告」がその要件に加わります。

さて、上記の相談事案においてはおそらく、
調査官は上記1を根拠としているのでしょうが、
「帳簿が誤っていた(私的経費が混入していた)」
ことが青色取消しになるのであれば、
税務調査で否認事項があったほとんどの事案は、
青色取消しに該当することになるはずです。

あくまでも上記1の要件は、帳簿・原資資料の
保存・保管がされていないケースになります。

つまり、税務調査で「青色取消しになります」
と言われても、その法的要件は満たしていない
ことの方が多いわけです。

このように、税務調査で「青色取消し」の
指摘を受けた場合は、まず上記の法律要件の
どれに該当するのかを問いただす必要があります。

調査官も青色取消しを自ら言い出したにも
かかわらず、その法的要件を理解している
ケースは意外にも少ないと思います。

調査官が実際に、税務調査で青色取消しをする
ケースのほとんどは、推計課税する場合で、
その法的要件を理解しているとは思えません。

だからこそ、上記調査事案のように
誤った根拠をもって平気で指摘するのです。

来週は、特に上記3の要件を、事務運営指針
から掘り下げて解説します。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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