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2021.08.25

税務調査で裁決事例は拘束力がないのか?

※2019年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

税務調査で否認指摘を受けた際、類似の
判決や裁決を調べて、その反論根拠として
使用する調査事案もあろうかと思います。

さてここで、裁決(国税不服審判所の判断)を
反論根拠として持ち出した際に、調査官から
「裁決(事例)は反論根拠にならない」と
頭から否定されるケースがあります。

今回から3回にわたって、
税務調査における反論根拠としての判決・裁決
の意義・意味合いについて解説していきます。

今回は「裁決の拘束力」を取り上げますが、
まず確認したいのは下記の条文です。

国税通則法第102条第1項(裁決の拘束力)
裁決は、関係行政庁を拘束する。

これは非常に当たり前の規定ですが、
国税から受けた処分について、納税者が
審査請求を行った結果、裁決で勝った場合、
その課税処分は取り消されることになり、
「裁決は拘束力がある」としているわけです。

この点について、国税不服審判所の
ホームページでも下記のQAがあります。

「Q)裁決の拘束力とは?」
http://www.kfs.go.jp/system/faq/0250.html

ここにもある通り、裁決において
「更正処分の取消しの裁決があった後に、
当該裁決で排斥された理由と同じ理由で
再更正処分をすることはできません」から、
この意味でも裁決には拘束力があります。

また、裁決は行政機関内部の最終判断ですから、
国税側が裁決に不服があったとしても、
訴訟を提起することはできません
(あくまでの納税者の行政救済が目的)。

上記「裁決(事例)は反論根拠にならない」
と主張する調査官はおそらく、

「国税不服審判所は裁判所と違って
行政機関であることから、その判断
(裁決)は判決とは違う」

という理解なのでしょうが、少なくとも
個別の事案において、その判断が
上記のとおり拘束力を持つ、という点では
裁決も判決も同じだということです。

なお、根拠とするものが判決であろうと
裁決であろうと同じですが「納税者が勝った」
という事実をもってのみ反論根拠とする
方が多いですが、あまり意味はないでしょう。

前提となる事実が相違すれば、当然に
結論は相違するわけですから、
裁決・判決を持ち出す場合、前提となる事実の
どこが相違しており、どこか論点として
合致しているのかを明確に示しながら、
反論根拠として明示する必要があります。

全くもって同じ前提の争いというのは
ほぼないでしょうから、調査官に事案として
判断のプロセスを明示することが大事です。

さて、次回は、
公開裁決と非公開裁決における反証力の
違いについて解説しましょう。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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