いきなり重加算税の賦課決定がきたら・・・
※2017年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
税務調査の結果として、修正申告を提出しました。
後日、納税者のもとに重加算税の賦課決定通知が届きました。
調査中に重加算税の話など一切なかったにもかかわらず・・・
私のところにたまに寄せられる相談内容で、
つい先日も同内容の相談が実際にありました。
このような事態を避けるためには、調査結了の際に
調査官に対して「重加算税は無いという認識ですよね?」
と確認しておく(念押し)必要があります。
なお、「本来であれば」重加算税の賦課決定を受け、
それに納得できない場合は、不服申立てをして
重加算税の取消しについて争うことになります。
勘違いしている方が多いのですが「修正申告したら
不服申立てできない」は誤りです。
修正申告した場合、本税(増差税額)については
不服申立てできませんが、(重)加算税は本税とは
別の処分(賦課決定)ですので、加算税だけの
取消しについて不服申立てすることができます。
では、調査時に調査官から重加算税について
何も聞かされておらず賦課決定された場合、
不服申立て以外に反論する方法はないのでしょうか?
不服申立て前にできることは・・・
「調査手続きの違法性を問う」ことです。
前提になるのは、下記法律規定です。
国税通則法第74条の11(調査の終了の際の手続)
2 国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと
認める場合には、当該職員は、当該納税義務者に対し、
その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額
及びその理由を含む。)を説明するものとする。
この法律規定を受けて、下記の内規が存在します。
「調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/sonota/120912/
第2章 4 (2)調査結果の内容の説明等
調査の結果、更正決定等をすべきと認められる非違がある場合には、
法第74条の11第2項に基づき、納税義務者に対し、当該非違の内容等
(税目、課税期間、更正決定等をすべきと認める金額、その理由等)
について原則として口頭により説明する。
その際には、必要に応じ、非違の項目や金額を整理した資料など
参考となる資料を示すなどして、納税義務者の理解が得られるよう
十分な説明を行うとともに、納税義務者から質問等があった場合には
分かりやすく回答するよう努める。また、併せて、納付すべき税額
及び加算税のほか、納付すべき税額によっては延滞税が生じることを
説明するとともに、当該調査結果の内容の説明等(下記(3)に
規定する修正申告等の勧奨を行う場合は、修正申告等の勧奨
及び修正申告等の法的効果の教示を含む。)をもって
原則として一連の調査手続が終了する旨を説明する。
ここにあるとおり、税務調査の結果として修正申告する場合も
調査官から「加算税」に関する説明は必要となっています。
以上から、調査(結了)時に重加算税の説明が
なされていないのに、賦課決定されたら場合は、
「調査手続きは違法」と主張することができるのです。
いきなり重加算税の通知が届いた場合は、
上記根拠をもって調査官に主張してください。
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