この地雷を踏まないようにしてください。
※2016年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
日本中央税理士法人の見田村元宣です。
今回は「この地雷を踏まないようにしてください。」ですが、
平成26年1月14日の個人課税課情報第1号(国税庁個人課税課)を
取り上げます。
私のセミナーを受講して頂いた方には解説をしたことがある内容ですが、
お忘れになっている方もいると思いますので、ここで確認します。
この内容は来年以降、継続的にチェックしなければならないものですが、
日本全国の税理士の誰かが必ず地雷を踏むと思われるものです。
では、上記情報を踏まえた問題です。
〇 納税者が平成23年分の所得税に係る還付等を受けるための
申告書(所法122)を平成24年2月21日に提出しました。
〇 当該申告書に係る更正の請求はいつまでにしなければなりませんか?
(平成23年分の更正の請求は5年間)
一般的な確定申告書(平成23年分)の法定申告期限は
平成24年3月15日ですので、ここから5年間をカウントすると、
平成25、26、27、28、29年となり、平成29年3月15日が
更正の請求の期限となります。
しかし、上記事例に関する更正の請求は「平成29年2月21日までに」
する必要があります。
なぜならば、税務署長は平成29年2月22日以後においては
更正すること自体ができないからです
国通法70条(国税の更正、決定等の期間制限)に下記とあります。
次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年〜
を経過した日以後においては、することができない。
一 更正又は決定 その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求
申告書に係る更正については当該申告書を提出した日〜)
これを分かりやすく書くと「還付請求申告書に係る更正は
当該申告書を提出した日から五年を経過した日以後においては
することができない。」となる訳です。
だから、来年の確定申告時期において、新規の顧客から依頼があり、
過去の確定申告書を見直したところ、更正の請求の対象になるミスが
過去に連続して発見された場合、まず、やるべきことは
「平成23年分の申告書が還付か?納付か?のチェックです。
そして、平成23年分が還付申告であれば、
まず、この年分の更正の請求を先に行わなければならないのです。
確定申告時期は繁忙期のため、法定申告期限である3/15を念頭に
仕事をするケースも多いでしょう。
しかし、平成23年分の還付申告に関する更正の請求は、
「当該申告書を提出した日から5年」を経過したら、
更正できなくなりますので、ご注意頂ければと思います。
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