たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認
※2018年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
日本中央税理士法人の見田村元宣です。
今回は「たまたま土地の譲渡があった場合の
課税売上割合に準ずる割合の承認」ですが、
国税庁の質疑応答実例をご紹介します。
皆さんのお客様が一般的な事業をしていたとします。
この場合に、たまたま土地の譲渡があった場合は
「課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」
を提出します。
当然、
〇 この申請書を提出する意味
〇 税に対する効果
を事前に顧客に説明するでしょう。
しかし、提出後に国税から承認できない旨の連絡があったら、
「話が違う」ということになってしまいます。
そうならないように、皆さんがこの申請書を出す際に、
もう1点、確認しなければならないことがありますが、
これが「即答」できますか?
国税庁のホームページに次のとおり書かれています。
土地の譲渡が単発のものであり、
かつ、当該土地の譲渡がなかったとした場合には、
事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、
次の1又は2の割合のいずれか低い割合により
課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして
差し支えないこととします。
1、当該土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる
課税期間の通算課税売上割合(消費税法施行令第53条第3項
《通算課税売上割合の計算方法》に規定する計算方法により
計算した割合をいう。)
2、当該土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合
ここまでは誰もが大丈夫でしょう。
しかし、続けて、こうも書いてあります。
1、土地の譲渡がなかったとした場合に、事業の実態に変動がないと
認められる場合とは、事業者の営業の実態に変動がなく、
かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が
5%以内である場合とします。
「過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が
5%以内」
この要件があるのです。
これも確認した上で、顧客に説明しないと
「話が違う」ということになってしまうのです。
もちろん、一般的な事業のみであれば、課税売上割合は95%以上であり、
5%超の変動をすることはまずないでしょう。
しかし、怖いのは下記3点の非課税売上です。
〇土地の付け
〇有価証券等の譲渡
〇平成29年7月1日以後の資金決済に関する法律第2条第5項に
規定する仮想通貨の譲渡
特に、3つ目は注意を要します。
何らかの特殊事情により、課税売上割合が5%超の変動をしていたら、
本申請は認められないのです。
だから、これも確認した上で顧客に説明をしないと、
クレームになってしまうのです。
いかがでしょうか?
このミスは実際にある税理士から寄せられたもので、
私が今回販売するミス実例に登載したものになります。
このように書籍にも載っていないかもしれないが、
「ありがちなミス」を集めたものが「ミス実例集」です。
是非、お買い求めいただき、
皆さんの事務所では同じことが起きないようになさってください。
〜税理士が実際にやってしまったことがある〜
「ミス実例集(税目別)」