事前の自主修正が間に合わないことを理由に調査を延期できるのか?
※2020年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
早いものでもう12月に入り、
世界中がパンデミック状態の2020年も
もう終わりを迎えようとしています。
税務調査は10月から再開・本格化されましたが、
第3波の影響もあって、今後の税務調査が
どうなるのかわからない状況になっています。
さて、先日立て続けにあった質問内容として、
下記のようなものがありました。
・事前通知があって調査日程は調整済み
・調査前に誤り・漏れが発覚した
・調査初日までに修正申告が間に合わない
・加算税はどうなるのか?
このケースのように、調査前までに
自主修正申告を提出して加算税を5%に
抑えたいが、集計が間に合わない、
正確な数字が算出できないなどの場合、
【税務調査をリスケ(延期)する】
ことが有効な手立てとなります。
しかし、一度決まった調査日程について
リスケするには要件が存在します。
第74条の9第2項
税務署長等は、前項の規定による通知を
受けた納税義務者から合理的な理由を付して
同項第1号又は第2号に掲げる事項について
変更するよう求めがあつた場合には、当該
事項について協議するよう努めるものとする。
この規定から、リスケするには
「合理的な理由」が必要となるわけですが、
調査官に対して「調査前に自主修正申告を
したいのでリスケさせてください」
では通らないことは明らかでしょう。
上記法律規定の解釈通達5-6において、
とされていることから、
納税者または立会う税理士に
「業務上やむを得ない事情が」入ったなど、
合理的であろう理由を事前に伝え、
リスケ交渉するしかないでしょう。
なお、調査日程をリスケしておいて、
その間に自主修正申告を提出すれば、
調査官からの心証が悪くなるのは確実です。
調査のリスケが良い方法とは思えませんが、
自主修正申告の作成が間に合わない
特殊な理由がある場合にのみ、
リスケという方法を取るべきでしょう。
税務調査はリスケできないと思い込んでいる
方も多いので、参考にしてください。
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