交際費課税:情報提供料の考え方(総論・後半)
※2020年月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
金曜の本メルマガでは交際費課税について
シリーズで解説していますが前回から引続き、
情報提供料が交際費になる区分について、
総論を解説していきます。
そもそも、情報提供料が交際費に区分される
(要件を満たせば交際費にはならない)
理由・考え方は、情報提供という漠然・曖昧な
行為に対して金銭を支払うことは、
「謝礼」や「心付け」(さらには「賄賂」)
(=交際費)などと区分できないからです。
だからこそ、事前に契約・取り決めがあって、
役務提供が明確であった場合には、
情報提供料を交際費にする必要がない
(明確に区分できる)ということです。
ですから、情報提供料・キックバックという
認識であっても、「謝礼(金)」と解釈できる
支払いは交際費となります。
前回のメルマガでは措置法通達61の4(1)-8
から「情報提供を事業としている者に対する
情報提供料は交際費ではない」と書きましたが、
情報提供料ではなく「謝礼」となれば、
交際費になってしまいます。
措置法通達61の4(1)-15(9)にも
「得意先、仕入先等の従業員等に対して
取引の謝礼等として支出する金品の費用」
は交際費と例示されています。
だからこそ、「謝礼」と認定されないためにも、
「事前の契約に基づいて支払っている」
ことが大事になるわけです(契約書を
締結していることがベスト)。
また、措置法通達61の4(1)-8にある
「情報の提供又は取引の媒介、代理、
あっせん等の役務の提供を行うことを業」
としている、いわゆる専業者の範囲ですが、
一般的には「商社」「斡旋業者」「仲介業者」
など、情報提供料収入が営業収入の
主体を占めている事業者を指しています。
この範囲は明確ではないものの、
例えば建築業者が情報提供料を支払う相手方
となりやすい、設計事務者や不動産鑑定事務所
などは専業者とはいえないでしょう。
実務上は情報提供の専業者に対する支払い
であることは少ないので、繰り返しますが、
事前の契約を明示できるエビデンスを
残しておくことが大事になります。
次回の金曜メルマガでは、情報提供料を
取引先の役員・従業員個人に支払った場合
について解説します。
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