交際費課税:福利厚生費との区分(一部従業員のみの参加)
※2020年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
先週金曜の本メルマガでは、福利厚生費と
交際費と区分として「原則として全員参加」
が福利厚生費の要件と解説しました。
ただし、「全社員が」参加したことが
この要件ではないことに注意が必要です。
例えば、規模が大きく、社員数が多い会社
であったり、地域ごとに支店・工場など
有している場合、全社員が集まることは
容易ではありません。
ですから、支店・工場ごとはもちろん、
部や課単位で開催する社内行事であっても、
その単位ごとに、参加希望者は全員参加
できる状況であれば福利厚生費となります。
社内飲み会とは異なりますが、一種の
社内行事である社員旅行についても、
国税庁サイトには下記があり、
支店・工場ごとでも認められています。
同様の論点・解説にはなりますが、
過去のメルマガでも「水平的公平性」という
観点から下記の解説をしています。
また、食事会などの開催時間が
就業時間内かどうかで判断が
変わってくるケースもあります。
プロジェクトや納期終了後に、
関わった社員のみで打上会などを
開催する場合、特定の部署・社員のみが
参加するとなれば、(社内)交際費と
なるわけですが、その打上げが残業程度の
食事と場所ということであり、実質的に
残業の延長という認定になれば、
福利厚生費にする余地はあるでしょう。
また、懇親・経営方針の共有・表彰など
の目的のために、経営陣が
各支店や部署等をまわり、懇親会等を
開催する場合もあります。
このようなケースでは、多少の
飲食が伴っていたとしても、
就業時間に開催されていれば「会議費」
に区分できるかもしれません。
さらには、表彰者など対象者が限定
されている懇親会であっても、
特定の従業員のみを特別に慰安した
とはいえないことから、交際費にならず
福利厚生費と判断できる場合もあります。
来週の本メルマガでは、福利厚生費となる
要件としての「金額が多額(ではない)」
かどうかについて解説します。
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