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2020.05.08

個人の確定申告で取り下げできるケース

※2019年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

さて、前回までは更正の請求を中心に解説してきましたが、
今回は個人の確定申告において、申告した後に
取り下げや更正の請求などで是正できるのか
について解説していきます。

まず、給与の年調済みでその他所得20万円以下、
また公的年金が少額かつ源泉徴収済みのように、
そもそも申告不要になる要件の確認と、
誤って申告した場合の是正措置との関連性
について具体例を挙げて解説します。

1か所から給与(年末調整済)の支払を受けている者で、
給与所得及び退職所得以外の所得が20万円以下、
または2か所以上から給与の支払を受けている者で、
年末調整を受けていない従たる給与等の金額と、
給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が
20万円以下の場合、申告義務はありません。

また、平成27年分以後は、公的年金等の
収入金額が400万円以下であり、かつ、
公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が
20万円以下である場合で、支給を受ける
公的年金等の全てが源泉徴収の対象と
されている場合も申告不要となっています。

ただし、還付請求申告書等の申告書を提出する場合には
20万円以下の所得であっても申告しなければなりません
(確定申告しないこととした配当を除きます)。

申告義務がないとしても、確定申告したということは
税額確定行為ですから、例えば給与所得・年調済みで
還付申告した場合、その内容が誤っていたとしても
(還付前であっても)取り下げはできません。

ですから、このような場合については、
修正申告もしくは更正の請求で
是正措置をすることになります。

一方で、第3期に納税額がある申告書で、
申告義務がない者から提出された申告書については、
撤回書により撤回(取り下げ)することが
できます(所基通121−2)。

ですから例えば、(源泉徴収されている)
公的年金等の収入金額が200万円で、
不動産所得(青色申告特別控除前の額)が
15万円である者が確定申告をして
納付税額が発生していても、本人の申出により
撤回(取り下げ)をすることができます。

この場合で、すでに税額を納付している
のであれば、取り下げした後は
過誤納として還付されることになります
(所基通121−2(注)2)。

このあたりは、個人の確定申告の実務上、
誤りやすいので、ぜひ注意してください。

次回は、個人の確定申告で誤りやすい
配当所得の申告不要と、その後の
是正措置について解説します。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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