個人の確定申告で更正の請求ができるケース・できないケース
※2019年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
今回のメルマガは、個人の確定申告時期という
こともあり、所得税における更正の請求が
できるケースとできないケースについて解説します。
実務上よくあるケースとして、扶養控除を
夫か妻のどちらに入れれば有利かという点があります。
当然ながら、所得の高い方で扶養控除を
申告すれば世帯内の税額が下がるわけですが、
実際のところは、所得計算するまで
わからない場合、社会保険を適用している側で
扶養控除を適用していることが多いでしょう。
夫と妻の両方が確定申告をしている場合で、
妻の所得の方が高いことから、後になって
夫から妻に扶養控除を入れ替えたいケースでは、
更正の請求をすることができません。
詳しくは、下記の国税庁サイトをご覧ください。
「控除対象扶養親族の差替え時期」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/33.htm
「No.1181 納税者が2人以上いる場合の扶養控除の所属の変更」
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1181.htm
また、確定申告において申告分離課税を
選択した上場株式等の配当等については、
後になって総合課税の有利なことに気付いても
更正の請求をすることはできません
(修正申告もできません)。
さらには、確定申告を要しない配当所得を
申告した後で、配当所得を除く
更正の請求をすることもできません。
(措通8の5−1)
税額控除に関しては当初申告要件がある
(のが通常)なので、当初申告で漏れが
あった場合は、更正の請求ができないと
思い込んでいるケースも多いのですが、
【配当控除】に関しては、漏れがあっても
更正の請求をすることができます。
この辺りは、申告ミス・是正不可能という
取扱いですから、当初申告時に
よく確認しておく必要がある項目になります。
また、今回の本論とは外れますが、
よくある勘違い(思い込み)として、
〇個人事業主の夫
〇妻は(青色)専従者
〇夫の事業所得が赤字(所得38万円以下)
の場合、妻の申告によって夫の
配偶者控除はできますので注意してください。
専従者は配偶者控除の対象にならないのは
誰でも知っているのですが、逆になった場合は
配偶者控除の対象になりますということです。
当初申告によって誤りがあり、
税額が減るのであれば更正の請求を
できると思い込んでいるケースが多いので、
上記は特に気を付けて申告してください。
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