商品券等を交際費にして指摘されるくらいなら・・・
※2017年6月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
税務調査でよく論点になるポイントとして、
リベートや謝礼として渡した商品券などが挙げられます。
「いつも仕事をくれてありがとう」という意味ですから、
商品券の購入費用は交際費に計上することになります。
これらの商品券が実際に取引先に渡されていて、
やましいことが無いとしても、税務調査では
社長の個人的費消を疑われる可能性があります。
ここで問題になるのが、商品券を渡した相手方。
帳簿や領収書に、渡した相手方を記載していても、
調査官は当然疑ってきますから、
「相手方に対して反面調査をする」と
言い出す可能性があるわけです。
このようなケースで反面調査をされて困るのは、
・相手方が取引先の社員(個人)である場合に、
受け取った商品券を申告していない(と想定できる)
(年調済みで20万円以下であれば問題は無い)
・相手方に反面調査に行かれると心象が悪い
(最悪、取引の打ち切りというリスクがある)
という問題があります。
こう考えると、反面調査を避けたいわけですが、
商品券が相手方に渡された確たる証拠
(郵送の履歴など)がない限り、
反面調査を断ることが難しいのが現実です。
さて、ここで反面調査を回避する方法は、
あえて商品券の購入費用を
「役員賞与」として受け入れることです。
こうすれば、社長個人での費消という扱い
(あくまでも税務調査の中だけの話です)となり、
調査官も反面調査に行けなくなります。
しかし、こうすると当然に、本来は払う
必要のない源泉の増差が出てしまいますし、
役員報酬と商品券の金額によっては、
この源泉金額がかなり高額になる可能性もあります。
このようなケースの現実的な対応策として
考えられる方法があります。
これは、私が以前から提唱していることですが、
〇相手方に対して反面に行かれては困る
〇しかし商品券代はできる限り損金にしたい
ということであれば、
【役員報酬を増額して税引後から支出すべき】です。
年間に発生する謝礼・リベートが100万円弱
として考えてみましょう。
役員報酬の金額によって税率はかわりますが、
それほど高い設定でないのであれば、役員報酬を
年間100万円程度上げます。役員報酬は損金になります。
その税引後の手取り増額分である60〜70万円で
商品券代を支出すれば、法人の帳簿に載らないですし、
税務署から何か文句を言われる筋合いはなくなります。
もちろん、この方法をとっても、商品券代が
全額損金になるわけではありません。
しかし、「相手方を明かしたくない」ということを
最優先で考えるのであれば、この方法をとることが
もっとも現実的ですし、かつ税務調査で
モメることがなくなるというメリットもあります。
税務調査はそもそも、指摘されないことが
大事なので、リベート等がある顧問先には、
ぜひ上記の方法を提案してみてください。
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