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2024.03.01

土地評価における地積は実測が必須か?

※2023年3月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。今回のテーマは
「土地評価における地積は実測が必須か?」です。

登記地積で申告して問題はないか?
土地評価を行う際、よく聞かれる質問です。

ここでいう「登記地積」は登記簿謄本
の表題部に記載されている地積を指します。

また、「固定資産税課税明細における地積」
と登記地積との関係を質問されることがありますが
当該地積と登記地積と同じ地積となります。

土地に対する固定資産税は土地課税台帳
を基に計算されますが、土地課税台帳は
不動産登記における登記情報をそのまま
採用しているためです(地方税法380(1))。

国税庁質疑応答事例
(「実際の地積」によることの意義)に
おける回答要旨は以下のとおりです。

土地の地積を「実際の地積」による
こととしているのは、台帳地積と実際
地積とが異なるものについて、実際
地積によることとする基本的な考え方
を打ち出したものです。

したがって、全ての土地について、
実測を要求しているのではありません。

実務上の取扱いとしては、特に縄延
の多い山林等について、立木に関する
実地調査の実施、航空写真による
地積の測定、その地域における平均
的な縄延割合の適用等の方法によって、
実際地積を把握することとし、
それらの方法によってもその把握
ができないもので、台帳地積に
よることが他の土地との評価の
均衡を著しく失すると認められる
ものについては、実測を行うこと
となります。

つまり、全ての土地につき、
実測を要求している訳ではなく、
明らかに縄伸び(登記地積<実測地積)
となっている土地についてのみ
対応することになります。

例えば、公図を取得すると、下に
「分類」がありますが、ここに
「地図(法第14条第1項)」と
記載があれば、登記地積は正しい
地積といえます。

ここでいう「法」とは
「不動産登記法」を指します。

しかしながら・・・
「地図に準ずる図面」と記載が
あれば、公図の精度は落ちますので、
地積を疑う余地があります。

また、相続後に納税資金確保の
ために土地売買を行う場合には、
通常は確定測量をすることが
多くなりますので、実測が把握
されることになります。

つまり・・・
譲渡税申告においては、実測値に
基づくものとなるため、課税庁側も
実測値を把握することができます。

この場合の相続税申告において
採用する地積は確定測量に基づく
実測値によるべきといえます。

相続税申告において、
縄伸び(登記地積<実測地積)
となっている土地が確認できた
場合には、慎重な判断が求められます。

■参考情報
国税庁ホームページ
/質疑応答事例/「実際の地積」によることの意義

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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