土地評価における地積は実測が必須か?
※2023年3月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。今回のテーマは
「土地評価における地積は実測が必須か?」です。
登記地積で申告して問題はないか?
土地評価を行う際、よく聞かれる質問です。
ここでいう「登記地積」は登記簿謄本
の表題部に記載されている地積を指します。
また、「固定資産税課税明細における地積」
と登記地積との関係を質問されることがありますが
当該地積と登記地積と同じ地積となります。
土地に対する固定資産税は土地課税台帳
を基に計算されますが、土地課税台帳は
不動産登記における登記情報をそのまま
採用しているためです(地方税法380(1))。
国税庁質疑応答事例
(「実際の地積」によることの意義)に
おける回答要旨は以下のとおりです。
—
土地の地積を「実際の地積」による
こととしているのは、台帳地積と実際
地積とが異なるものについて、実際
地積によることとする基本的な考え方
を打ち出したものです。
したがって、全ての土地について、
実測を要求しているのではありません。
実務上の取扱いとしては、特に縄延
の多い山林等について、立木に関する
実地調査の実施、航空写真による
地積の測定、その地域における平均
的な縄延割合の適用等の方法によって、
実際地積を把握することとし、
それらの方法によってもその把握
ができないもので、台帳地積に
よることが他の土地との評価の
均衡を著しく失すると認められる
ものについては、実測を行うこと
となります。
—
つまり、全ての土地につき、
実測を要求している訳ではなく、
明らかに縄伸び(登記地積<実測地積)
となっている土地についてのみ
対応することになります。
例えば、公図を取得すると、下に
「分類」がありますが、ここに
「地図(法第14条第1項)」と
記載があれば、登記地積は正しい
地積といえます。
ここでいう「法」とは
「不動産登記法」を指します。
しかしながら・・・
「地図に準ずる図面」と記載が
あれば、公図の精度は落ちますので、
地積を疑う余地があります。
また、相続後に納税資金確保の
ために土地売買を行う場合には、
通常は確定測量をすることが
多くなりますので、実測が把握
されることになります。
つまり・・・
譲渡税申告においては、実測値に
基づくものとなるため、課税庁側も
実測値を把握することができます。
この場合の相続税申告において
採用する地積は確定測量に基づく
実測値によるべきといえます。
相続税申告において、
縄伸び(登記地積<実測地積)
となっている土地が確認できた
場合には、慎重な判断が求められます。
■参考情報
国税庁ホームページ
/質疑応答事例/「実際の地積」によることの意義
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