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2021.03.26

外注費と給与の区分・判定基準(4)

※2019年7月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

先週金曜の本メルマガから引続き、外注費と給与の
区分について解説しますが、今回は
「職業」という観点から考えてみましょう。

前回のメルマガでは、「(保険などの)外交員は
報酬と給与の両方が存在する場合もある」
ことを通達から解説しました。

その他、判断に迷う典型例としては、
いわゆる「一人親方」が挙げられます。

ご存知の方も多いと思いますが、一人親方が受ける
報酬(区分)については個別通達が定められています。

「大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る
所得税の取扱いについて(法令解釈通達)」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/091217/01.htm

また、この個別通達には質疑応答も出されています。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/091217/pdf/01.pdf

これらは詳細に解説がなされていますので、
私の方からは解説を省略させてもらいます。

税務上の外注費/給与の区分・判定基準PDF

また、実際の否認事例として見たことがあるのですが、
士業が顧問先法人の社外取締役・監査役に
就いていた場合に、役員報酬も併せて報酬
(受け取る方の事業所得)にしているケースです。

当然ながら、役員報酬は取締役・監査役としての
業務対価になりますから、別途士業報酬とは
区分して給与と取り扱われることになります。

税理士としてもらう報酬は事業所得ですが、
役員としてもらう報酬は役員報酬=給与です。
弁護士なども同じですから注意してください。

最後の項目となりますが、ホステス源泉について。

実務上は、多くのキャバクラなどが「10%源泉」
していることが多いと思いますが、実態からすると
給与として判断することがほとんどのはずです。

銀座や北新地などのクラブ(の中)では、

・ホステス自身が衣装等を全て購入・管理

・接客相手は自身の顧客

・ホステスは売上管理や売掛金の回収責任を負う

となっており、これらの事実関係から考えると
ホステス報酬と判断するのは当然でしょう。

一方で、昨今多くの店・ホステスは

・出勤日および出勤時間が決められている

・接客相手は店舗(雇用主)側の指示

・売掛金の回収義務などはない

・ノルマはない(歩合に反映はされる)

として、実態として空間的・時間的な拘束を
受けていることから、給与といえます。

多くの人は「他の店もそうだから」と言うわけですが
否認リスクがあるポイント、かつ多額になりますから
私は注意すべきだと考えています。

なお、ホステス源泉の判断基準について
詳しく知りたい方は、

・平成22年2月2日最高裁第三小法廷判決
・昭和56年4月24日最高裁第二小法廷判決

の判決文をお読みください。

今回で、外注費・給与の区分は終わりにして、
経済的利益・源泉徴収義務の別論点を解説します。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

税務上の外注費/給与の区分・判定基準PDF

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