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2021.04.23

定額支給の旅費と規程の金額による旅費

※2019年8月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

仕事上、社員等が支出した経費は「実費精算」する
ことが原則であり、実費精算しない場合は
経済的利益として課税されるケースがあります。

今回は実費精算しない旅費について解説します。

出張や外出が多い会社になると、旅費の精算が
煩雑になることから、実額精算をしないで済む方法を
考えるわけですが、一番やってはいけないのが
「定額」での旅費支給です。

今までは実額精算してきたが、面倒なので
以後は定額とする場合に、過去の実績から平均額を
算出するなど、合理的と思われる旅費額を
定額支給する会社がありますが、これは明らかに
経済的利益として課税されることになります。

所得税基本通達28-3
(年額又は月額により支給される旅費)
職務を遂行するために行う旅行の費用に充てるもの
として支給される金品であっても、年額又は
月額により支給されるものは、給与等とする。
ただし、その支給を受けた者の職務を遂行するために
行う旅行の実情に照らし、明らかに法第9条第1項第4号
《非課税所得》に掲げる金品に相当するものと
認められる金品については、課税しない。

実額精算が面倒というのであれば、
出張旅費規程を制定すべきでしょう。

・距離別の旅費額を設定
・新幹線などは出張地ごとに規定
・宿泊費などは定額
・日当の支給額を設定
・役職別に金額を定めることは可
・報告書の作成・提出は義務付ける

規程の金額設定が高額ではない相当な額であって、
実額に近いというのであれば、領収書等で
実額精算しなくても非課税になります。

ただし、この方法にも「穴」はあります。

以前、実際の税務調査で発覚したのが、
新幹線の自由席利用です。

出張旅費規程では社員の新幹線旅費として
「普通・指定席」として金額設定・支給
していたものが、実際は自由席を利用して
安く済ませていることが発覚し、
経済的利益として問題になった事案があります。

また規程とは関係ないですが、会社から支給された
新幹線チケットをチケットショップで売ってから、
自由席に乗っていたことがバレた事案もありました。

従業員不正が問題になりうることも考慮して、
旅費の精算方法は決めるべきでしょう。

来週金曜の本メルマガでは、渡し切りの「交際費」
における経済的利益について解説します。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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