広域担当はどんな調査をしているのか?
※2017年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
税務調査に入られる際に、調査担当者を調べる
ことが大事なのですが、わかりにくい職種として
「広域担当」が挙げられます。
広域担当の調査官は、すべての税務署にいる
わけではなく、中〜大規模の税務署にのみ
配置されており、その地域にある(相対的に)
小さな税務署を複数管轄しています。
広域が担当する税務調査の最たるものは、
複数の管轄税務署にまたがっている調査事案でしょう。
(関係会社が複数あって、管轄が相違するなど)
税務調査は税務署の管轄ごとに割り当てられているため、
複数の税務署にまたがる調査事案については、
管轄するすべての地域に対して調査権限を有している
広域担当が取り仕切りをして、各税務署が
実際に動くという割り当てになります。
だからといって、広域担当は上記のような
調査事案だけを担当しているのかというと
そうではなく、単一の税務署が普通に行っている
調査事案にも同行するケースもあります。
広域担当の調査官にも、調査件数のノルマは
あるため、通常の税務調査にも同行しないと
ノルマ件数が達成できない場合も多くあります。
広域担当は、管轄する複数の税務署を
定期的に回っており、これを国税内では
「巡回」と呼んでいます。
巡回する理由は単純で、広域担当が
同行する・できる調査事案がないかを
常に探っている、というわけです。
広域担当の職務は、あくまでも
管轄する税務署の「支援」となっており、
自身で調査選定をするというのはあまり無く、
税務署から求められたら動く、というのが
本筋の職務なのです。
一方で、支援の要請を待っているだけでは
調査件数のノルマがはたせないので、
自分から動くのが巡回ということです。
「広域」と一言で言っても、いろんな
職種・職格がありますが「情報技術専門官」
も広域担当の1つです。
情報技術専門官は通称「ジョーギ」と
呼ばれており、IT系や社内インフラが
システムの場合に登場することが多いのですが、
上記のとおり、通常の(IT系に関係ない)
税務調査に同行する場合もあります。
事前通知の際に、調査担当者を聞いてみると
広域担当が含まれている、ということが
あるわけですが、管轄する税務署が
複数にまたがる、など特殊事情がない限り、
税務署に対する「支援」のための
同行だと考えていいので、そこまで
警戒する必要はありません。
広域担当の職務を理解すると、
国税内部が見えてきますので、
ぜひ参考にしてください。
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