• HOME
  •  › ブログ
  •  › 更正の請求ができる要件・できない例
2020.01.17

更正の請求ができる要件・できない例

※2018年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

今回は「更正の請求」について解説します。

当初申告の誤りに気付き、税額の還付となる場合、
更正の請求をすることになるわけですが、
どのような場合でも更正の請求ができる
わけではありませんので、注意が必要です。

なお、「当初申告要件」がある規定については、
そもそも更正の請求ができない場合もありますが、
これについては来週以降のメルマガで解説します。

まず、法律規定を確認しましょう。
(カッコ書きを除きます)

国税通則法第23条(更正の請求)
納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに
該当する場合には、当該申告書に係る国税の
法定申告期限から5年以内に限り、税務署長に対し、
その申告に係る課税標準等又は税額等につき
更正をすべき旨の請求をすることができる。
一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは
税額等の計算が国税に関する法律の規定に
従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつた
ことにより、当該申告書の提出により
納付すべき税額が過大であるとき。(以下、略)

ですから、更正の請求をするには、

(1)法律の規定に従っていなかった場合
(2)計算誤りがあった場合

のどちらかに該当しなければなりません。

わかりにくいので、更正の請求ができない
ケースを具体的に取り上げてみましょう。

土地を取得した際には、下記の通達に基づいて
不動産取得税や登録免許税を損金計上することができます。

法人税基本通達7-3-3の2
(固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示)

この通達の存在を知らず、土地の取得価額に
算入していた場合、後になって損金計上できることを
知ることがあります。しかし、その場合であっても
更正の請求をすることはできません。
(税額が還付されません)

なぜなら、土地購入の際の不動産取得税や登録免許税は

(1)土地の取得価額に算入する
(2)(通達にしたがって)損金計上する

の2つとも「正当な処理」なのです。
いったん採用した正当な処理から、別の正当な処理に
変更することは、上記の更正の請求の
要件を満たしていないのです。

つまり、結果として税額が減るのだとしても、
正しい処理方法から正しい処理方法への変更は、
更正の請求では認められないというわけです。

今回はここまでにして、次回は
もう少し更正の請求について掘り下げて解説します。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。