• HOME
  •  › ブログ
  •  › 更正の請求ができる?できない??(所得税の具体例)
2020.02.28

更正の請求ができる?できない??(所得税の具体例)

※2018年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

早いもので、今年の営業日も本日で終了となります。

来年は元号の変更や消費税率のアップによって、
税務実務もかなりの混乱をきたしそうな予感です。

本メルマガも、今回で年内最終となりますが、
来年も税理士・会計事務所にとって
必須の内容を配信していく所存です。
引続き、ご愛読いただけますと幸いです。

さて、先週金曜のメルマガを前提として、
当初申告要件と更正の請求について解説しますが、
年明けは個人の確定申告ですから、
所得税における具体例を取り上げましょう。

当初申告において「寄付金控除」を受けていない場合、
後になって寄付金控除の適用があることに気付けば、
当初申告要件がありませんので
更正の請求をすることができます。

一方で、「寄付金控除」とは似て非なる
「政党等寄付金特別控除」(税額控除)については、

〇申告書に控除に関する記載がある

〇計算に関する明細書・証明書類の添付がある

場合に限り適用があることと規定されています。
(措置法第41条の18第3項)

「No.1260 政党等寄附金特別控除制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1260.htm

ですから、寄付金控除は更正の請求ができても、
「政党等寄付金特別控除」は更正の請求が
できないということになります。

また、「家内労働者等の特例」ですが、
一定の場合に必要経費を65万円に「する」という
規定であって、「できる」規定ではありませんし、
かつ確定申告書への適用記載要件はありませんから、
当初申告において適用がなくなっても、
更正の請求によって適用を受けることが可能です。
(措置法第27条)

「No.1810 家内労働者等の必要経費の特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1810.htm

なお、個人の確定申告のみならずですが、
確定申告書に控除を受けるべき金額等、
所定の事項を記載した場合に限り適用する
とされている項目については、原則として
更正の請求はできませんので、実務上
ここをミスったら取り返しがつきません。
申告書のレビューはここが必須になります。

今回は譲渡所得について取り上げませんでしたが、
譲渡所得は措置法の特例ばかりで、かつ
当初申告要件が厳しく規定されていますので、
特に注意が必要となります。

次回は年明けになりますが、
損金経理要件と更正の請求について
解説したいと思います。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。