更正の請求:提出期限(個別税法の例外編)
※2022年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
先週水曜の本メルマガから引続き、更正の請求の
提出期限を解説しますが、今回は個別税法の
「例外」(特例)規定を取り上げます。
前回は、「国税通則法に規定されている」
更正の請求の例外(特例)について解説しました。
税務実務においては、国税通則法は一般法であり、
原則として国税通則法の規定を適用することに
なりますが、各個別税法においてその例外が
規定されている場合は、各個別税法=特別法の
規定が適用される、という関係になります。
ですから、国税通則法を原則としながらも、
各個別税法の例外規定を知っておかなければ、
実務対応ができない、ということです。
なお、税目別に解説しますが、条文を引用すると
長くなりますのであえて割愛します。
下記の規定はいわゆる「後発的事由」があった場合の
更正の請求の特例と理解して読み進めてください。
【法人税法】第80条の2
前事業年度の法人税額等の更正等(修正申告を含む)に
ともなって、税額が過大になった場合には、その更正等から
2ヶ月以内に限り更正の請求ができる、という規定です。
【消費税法】第56条
こちらも、上記法人税法と同じ規定で、
前課税期間に係る消費税額等の更正等に伴い、
税額が過大となった場合には、
2ヶ月以内に更正の請求ができるとする規定です。
【相続税法】第32条
未分割遺産につき法定相続分に従って課税価格を
計算して申告した場合において、その後遺産分割が
行われ、その取得財産の課税価格が当初申告にかかる
課税価格と異なる場合、その事由が生じたことを
知った日の翌日から「4ヶ月以内」に限り、
更正の請求をすることができます。
【所得税法】
(1)事業を廃止した場合の必要経費の特例
:第63条・第152条
事業を廃止した後に当該事業にかかる費用または
損失が生じた場合には、当該事実が生じた日の
翌日から2ヶ月以内に限り更正の請求ができます
(2)資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の
所得計算の特例:第64条第1項・第152条
いったん収入金額または総収入金額に算入した
債権が回収不能となった場合には、当該事実が
生じた日の翌日から2ヶ月以内に限り、
更正の請求をすることができます
(3)無効な行為により生じた経済的効果が失われた場合
:第152条・施行令274条第一号
各種所得の計算の基礎となった事実のうちに
含まれていた無効な行為により生じた経済的成果が、
その行為の無効であることに基因して失われた場合、
当該事実が生じた日の翌日から2ヶ月以内に限り、
更正の請求をすることができます
(4)取り消すことができる行為が取り消された場合
:第152条・施行令274条第二号
各種所得の計算の基礎となった事実のうちに
含まれていた取り消すことのできる行為が
取り消された場合、当該事実が生じた日の翌日から
2ヶ月以内に限り更正の請求をすることができます
(5)いわゆる「跳ね返り」がある場合
:第153条第一号
こちらも、上記法人税法・消費税法と同じ規定で、
期ズレなど前課税期間に影響がある修正申告をした場合、
2ヶ月以内に更正の請求ができるとする規定です。
個人の確定申告などで、過去申告を見直した際に
(自主)修正申告をするケースもあると思いますが、
特に跳ね返りで所得・税額の異動がある場合、
更正の請求ができますので、ぜひ注意してください。
来週の本メルマガでは、更正の請求に関して
ここまでで説明しきれなかった論点を
まとめて取り上げることにします。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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