更正の請求:税務署への事前説明
※2022年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
先週水曜の本メルマガから引続き、
「更正の請求」を体系的に解説していきますが、
今回は更正の請求をする前、税務署に対して
事前説明に行く場合の注意点を解説します。
更正の請求をする事由が、単純な計算誤りなど、
提出した添付資料等から誰でも理解できるという
ものであれば、そのまま更正の請求を提出する
ことになりますが、一方で、更正の請求に至る事由が
ややこしいケースで、特に還付が多額になる場合は、
更正の請求書を提出前に、税務署に対して
事前説明をした方が得策でしょう。
なぜなら、更正の請求を提出したことを起因として
税務調査に入られる可能性が高まるからです。
この論点については、下記の記事
(過去メルマガ)をお読みください。
更正の請求をする前、税務署に事前説明行く場合、
税務署の誰に対して行けばいいのでしょうか。
課税部門ごとに更正の請求の処理状況・担当が
相違しますので、この点は若干の説明が必要です。
まず、所得税の申告を担当する個人課税部門では、
更正の請求を処理する担当者は1部門(内部担当)
に配置されています。
ほとんどの税務署において、個人課税1部門には
更正の請求を担当する職員がいます(たいていは
他の業務と兼任しています)ので、税務署への
電話連絡で「1部門の更正の請求担当の方」
として取り次いでもらうことになります。
法人課税部門の場合、提出された更正の請求書は
1部門(内部担当)がいったんとりまとめたうえ、
各法人の担当(調査)部門に割り振って
各部門で対応・処理することになります。
ですから、更正の請求を提出した法人の
担当部門(たとえば法人課税4部門など)が
わかる(直近で税務調査に入ったなど)のであれば、
担当部門に直接連絡することになります。
なお、法人課税の部門数と担当・割当て法人は
毎年のようにシャッフルされます。
担当部門がわからないケースがほとんどだと
思いますので、不明の場合は1部門もしくは
審理担当に連絡することになります。
法人課税1部門に更正の請求の事前説明をする
場合は、上記のとおり担当・処理は(後で)
各調査部門に割り振られることになりますので、
できれば概要図など説明資料をわかりやすく
作っておいた方が話は通りやすいでしょう
(引継ぎが添付資料+口頭であるより、
資料の方が齟齬がなくなりますので)。
来週水曜の本メルマガでは、勘違いされやすい
更正の請求の「要件」について整理します
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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