期限に間に合わない申告をどう対応すべきか?
※2020年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
個人の確定申告で、税理士・会計事務所が頭を痛める
こととして、顧問先・関与先の資料送付が遅いなど、
期限に間に合わない申告をどうするか?
という現実的な問題があります。
もちろん、顧問先・関与先の問題であるわけですから、
「〇日までに資料が揃わない場合は、申告期限に
間に合いません」と設定するのは当然でしょう。
一方で、継続的な関与をしている顧問先が、
期限後申告になることで不利益を被るのは
(将来にわたっても)良いことではありません。
税理士・会計事務所が生真面目に集計が間に合わない
などするからこそ、顧問先が不利益になる
ということはあって、そのような場合、
【とりあえずでも】期限内申告をすることが大事です。
所得税で期限内申告が要件になっているのは
「青色申告特別控除(65万円)」ですが、
これも控除額の制限が見直されていますから、
とりあえずの期限内申告をしておけば、
後から修正申告・更正の請求することで、
回復できる事項となります。
「更正の請求の改正のあらまし」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/h23koseiaramashi.pdf
また、あまり考慮されない事項として、
当初申告が期限後になることで、以後
無申告加算税が課されることになります
(過少申告加算税から5%上乗せ)。
当初申告を期限後申告したという事実だけで、
その後に税務調査に入られれば、事前の修正申告
もしくは調査による修正申告の勧奨による提出で、
加算税が5%上がるのは明らかに不利益でしょう。
さらに、よく聞かれる質問としては、
「修正申告することで税務調査に入られやすく
なるのではないか?」というものがありますが、
これは税理士・会計事務所の勝手な心配です。
詳細については下記をご覧ください。
期限内申告を税額ゼロでした後に、
自主修正申告をすれば延滞税が課される場合も
ありますが、現況では延滞税率も低く、
また修正申告の提出までにそれほど時間を
要さない(実務的には1ヵ月以内と推察)
でしょうから、延滞税は少額のはずです。
それよりも期限後申告するデメリットを考慮して
とりあえずの期限内申告をすべきでしょう。
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