決算月と税務調査の時期との関係
※2018年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
法人に対する税務調査においては、
原則として、決算月と税務調査を実施する時期
には密接な関係があります。
2〜5月決算法人:7〜12月(秋の税務調査)
6〜1月決算法人:1〜6月(春の税務調査)
これが、税務署における法人調査を
選定・実施する時期の原則です。
税務調査は、調査中に新たな申告(時期)を
迎えると調査対象期間や除斥期間がややこしく
なりますし、3月決算法人数が多いなど、
申告時期によって調査対象法人が多い・少ない
などありますから、このような区分をしています。
この原則から外れる税務調査、例えば
「7月決算法人なのに11月に調査」
ということになれば、税務署はほとんどの場合、
非違が見込まれる資料せんなど、
何らかの情報を握っていると考えるべきです。
もちろん、税務署が保有する資料せん等の情報が
すべて正しいとは言いませんが、原則から
外れた時期に調査をするくらいですから、
税務署も「今確認したいことがある」
「高い確率で非違が見込まれる」
という想定があることは間違いありません。
ただし、原則があるということは例外があるのですが、
上記はあくまでも税務署の「一般部門」の原則で、
下記のような場合は、原則から外れます。
・特官の調査事案
⇒ 規模が大きい法人
・特別調査部門(特調)の調査事案
⇒ 無予告調査を中心とした調査対象
・繁華街担当の調査事案
⇒ いわゆるピンク担当
・特情官(特別国税情報官)など広域担当
あくまでも一例ですが、このような
担当による税務調査は、決算月を
加味しないとまでは言い切りませんが、
基本的に上記の原則は関係なく調査を実施します。
逆の言い方をすると、税務署の一般部門
による普通の中小企業に対する調査において、
上記原則から外れた時期に調査が入ること
になったのであれば、普段の調査以上に
事前に顧問先への確認が必要になります。
〇売上除外などしていないか?
〇リベートなどの雑収入がないか?
〇申告していない社長個人への入金がないか?
これは外形的に判断できる基準になりますので、
ぜひ参考にしてください。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。