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2021.08.13

法人の税務調査における直近の傾向が公表されました

※2019年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

毎年12月に発表されている、法人における
税務調査の事績が例年より早く公表されました。

今回は公表内容から、
直近の税務調査の傾向について解説します。

まず、例年公表される調査事績の最新版から。

「平成30事務年度 法人税等の調査事績の概要」
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/hojin_chosa/pdf/hojin_chosa.pdf

※平成30事務年度=平成30年7月~令和元年6月

まず実地調査の件数ですが、前年対比1.3%
の微増となっています。

6月下旬~7月初旬の国税内異動時期における
調査通知(前倒し)が影響しているのでしょう。

法人税における税務調査での否認割合は、

74千件÷99千件=約75%

となっており、否認率はほぼ4件に3件
という非常に高い水準が続いています。

調査1件あたりの増差所得(法人税)は、
約1,400万円と2年連続で急増しています。

一方で、調査1件あたりの追徴税額は
毎年と変わらず200万円弱と変わりませんから、
増差所得の急増は海外取引を含めた
大企業の増差所得が大きかったものと推察します。

重加算税の賦課率である「不正発見割合」は、
「21.1%」となっており、相変わらず
法人調査の5件に1件は重加算税が課されています。

また、前事務年度から公表されている
「簡易な接触」ですが、今年も同じく
下記で公表されています。

「納税者の税務コンプライアンス維持・
向上に向けた取組~簡易な接触~」
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/hojin_chosa/pdf/01.pdf

ここでは「簡易な接触件数と実地調査件数を
合計した法人税・消費税の観点からの接触率が
4.5%」とされており、昨年から増加は
してませんが、実地調査率が3%前半である
ことを考慮すると、簡易な接触と呼ばれる
是正行為が1%ちょっとあることになります。

なお、ここにいう「簡易な接触」とは
電話や書面郵送等による否認指摘から、
自主的な修正申告の勧奨になりますが、
事案ごとに加算税の取扱いは変わってきますので
その点は以後も注意してください。

「税務署からの電話で確認すべきこと」

毎年公表されている調査事績ですが、
これを見るだけで、税務調査のみならず
国税の方向性が見えてきますので、
ぜひ参考にしてください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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