添付漏れは調査前に提出すべきか?
※2017年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
2週間ほど前に税制改正の発表がありましたが・・・
税務の仕組みが複雑化するのはある程度致し方ないとしても、
届出や別表・明細書などの「添付要件」を
さらに複雑化する改正はやめてもらいたいものです。
つい先日あった実際の質問・相談を紹介します。
○調査の事前通知があった
○事前に直近の申告内容を見直した
○経営力向上計画を適用して取得価額の全額を特別償却いるが
「特別償却の付表8」を添付漏れしていることが判明
○別表と適用額明細書は記載・提出している
○付表を調査前に提出すべきか?
特に措置法関連には、別表・付表・適用額明細書の
添付義務が多く定められており、1つくらい漏れても
実務上仕方のないような状況になっています。
上記の例と同じように、以前から質問・相談が多いのが
倒産防止共済の「別表10(6)」の添付漏れ。
添付が漏れた場合の対応方法について相談が多いのですが、
対応方法としては1つしかないかと思います。
【添付漏れに気付いても今から提出しない】
法的に考えれば、
期限内申告時での添付義務がある
⇒
後から提出しても(法的には)認められない
わけですから、後日提出しても結果は変わりません。
提出する場合としない場合に分けて考えてみましょう。
(1)提出しない
すでに解説したとおり、後日提出しても認められません。
むしろ・・・です。
後日提出するからこそ、添付要件があったこと自体が
税務署にバレてしまう可能性が発生します。
上記実例のように、事前通知があってから
調査前に提出することも頭をよぎりますが・・・
<1>調査官が事前に添付漏れに気付いていた
それならなおさら、今から提出しても遅いです。
むしろ、添付がなく明確に否認できると思って
調査に選定されたわけですから、事前通知後〜調査前に
提出しても否認されることが確定しています。
<2>調査官が事前に添付漏れに気付いていなかった
提出しなければ、そのまま気付かない可能性があります。
(むしろ、その可能性の方が高いと思います)
結果として、否認(指摘)されることはありません。
(2)提出する
税務署・調査官は、「今からなんで提出されたの?」
と思い、調べられて、添付漏れによる
否認に気付くことになりかねません。
もともと気付いていれば、1〜2年後かもしれませんが
提出しなくても調査に来ることになるでしょう。
このように考えれば、後日提出することは
「やぶへび」状況を招く可能性を発生させるだけで、
良い状況を生むことはない、というわけです。
もちろん、申告時の添付漏れは無い方がいいわけで、
その対策を立てるのが会計事務所のやるべきことに
違いないのですが・・・
添付漏れをしてしまったとしても、
やぶへび状況を招かないように気を付けるべきです。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。