源泉の不納付加算税が減免に基準
※2017年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
今回は源泉にかかる加算税について解説します。
税務調査において源泉所得税を否認された場合、
10%の不納付加算税が課されることになります。
一方で、源泉所得税には加算税の減免措置が
いくつか設けられているのはあまり知られていません。
まず、国税通則法を確認しましょう。
国税通則法第67条第2項
源泉徴収による国税が第36条第1項第2号の規定による
納税の告知を受けることなくその法定納期限後に納付された
場合において、その納付が、当該国税についての調査があつた
ことにより当該国税について当該告知があるべきことを
予知してされたものでないときは、その納付された税額に係る
前項の不納付加算税の額は、同項の規定にかかわらず、
当該納付された税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額とする。
これに該当する場合は、10%ではなく
5%の不納付加算税になります。
ここに規定する「(納付が)告知があるべきことを予知」
場合は、事務運営指針に規定されています。
「源泉所得税及び復興特別所得税の不納付加算税の
取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/shotoku/gensen/000703/01.htm
第1 不納付加算税の取扱い
2 納付が、告知があるべきことを予知してされたものである場合
通則法第67条第2項の規定を適用する場合において、
その源泉徴収義務者に対する臨場調査、その源泉徴収義務者の
取引先に対する反面調査等、当該源泉徴収義務者が
調査のあったことを了知したと認められる後に自主納付
された場合の当該自主納付は、原則として、同項に規定する
「告知があるべきことを予知してされたもの」に該当する。
(注) 次に掲げる場合は、原則として「告知が
あるべきことを予知してされたもの」には該当しない。
1 臨場のための日時の連絡を行った段階で自主納付された場合
2 納付確認(臨場によるものを除く。)を行った結果、自主納付された場合
3 説明会等により一般的な説明を行った結果、自主納付された場合
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このように、税務調査での指摘であれば10%の加算税も、
事前通知後で調査前日までの(自主)納付や、
税務署からの電話連絡などでの指摘であれば
5%の不納付加算税に減免されることになります。
また、源泉所得税には「初犯」に対して
不納付加算税を課さない、という法規定も存在します。
国税通則法第27条の2
法第67条第3項 (不納付加算税)に規定する法定納期限
までに納付する意思があつたと認められる場合として
政令で定める場合は、同項 に規定する納付に係る法定納期限
の属する月の前月の末日から起算して一年前の日までの間に
法定納期限が到来する源泉徴収による国税について、
次の各号のいずれにも該当する場合とする。
一 法第36条第1項第2号 (納税の告知)の規定による
納税の告知を受けたことがない場合
二 法第36条第1項第2号の規定による納税の告知を
受けることなく法定納期限後に納付された事実がない場合
簡単に説明すると、法定納期限から1ヶ月以内に
源泉が納付されていて、さらに法定納期限の前月末日から
1年前までの間に「納税の告知を受けたことがない」
(自主納付)かつ「遅れて納付したことがない」のであれば
不納付加算税は「免除」になるということです。
全体として整理すると、源泉については
「自主納付」と「納税の告知」によって
加算税の取扱いが変わりますので注意してください。
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