無予告調査の手続きを知り、顧問先に事前指導しておくことの重要性
※2019年5月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
税務調査があまり無い、もっといえば税務署が無予告調査
をしないこの時期(5月下旬)だからこそ、
今回は注意喚起のために無予告調査について書きます。
無予告調査に入られた場合の質問・相談を数多く
受けてきましたが、問題は大きく2つに分けられます。
〇顧問先(被調査者)の対応がマズい
〇税理士の対応がマズい
まず、税理士・会計事務所が顧問先に対して
無予告調査に関する情報や知識、正しい対応方法を
指導していないので、顧問先は急に税務署が来ると、
そのまま調査を受け入れるケースが多くあります。
顧問税理士として顧問先に対して【事前に】
伝えておくべき「無予告調査の正しい対応」
は下記の3点に要約されます。
1 絶対にオフィス内に入れないこと
⇒
オフィス内に入れるとそのまま
税務調査が始まってしまいます。
(それを了知したと見做されます)
2 すぐに顧問税理士に連絡すること
⇒
無予告調査の場合、調査官が顧問税理士に連絡
(正確には事前通知)をしなければなりませんが、
これについては下記を参照してください。
3 その場で税務調査の日程を調整すること
⇒
ただ単純に無予告調査を断れば、受忍義務違反
と言われてもおかしくない状況になり、
より大きなトラブルを招く可能性があります。
ここまでの顧問先への指導は当然のこととして、
税理士・会計事務所が無予告調査の法的手続きを
知らないがために、調査官の手続き違反を
いつの間にかスルーしていることがほとんどです。
例えば「無予告調査であっても事前通知を受ける」
というポイント。
これは(税理士向けではなく)一般納税者向けの
FAQにもきちんと記載されています。
税理士が知らないと恥ずかしいポイントです。
「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
問21
https://www.nta.go.jp/information/other/data/h24/nozeikankyo/ippan02.htm#a21
税理士・会計事務所が知っておくべき
無予告調査の法的要件や正しい対応方法
については、書き始めるとキリがないのと、
本メルマガでも書いたことがありますので、
大事なポイントだけ下記に挙げておきます。
(全て私の執筆内容です)
「無予告調査の要件とは?(1)」
http://kachiel.jp/blog/%E7%84%A1%E4%BA%88%E5%91%8A%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E8%A6%81%E4%BB%B6%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E2%91%A0/
「無予告調査の要件とは?(2)」
http://kachiel.jp/blog/%E7%84%A1%E4%BA%88%E5%91%8A%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E8%A6%81%E4%BB%B6%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E2%91%A1/
「無予告調査で事前通知を受けたのか?」
http://kachiel.jp/blog/%E7%84%A1%E4%BA%88%E5%91%8A%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%A7%E4%BA%8B%E5%89%8D%E9%80%9A%E7%9F%A5%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F/
「無予告調査の理由は開示されてなくても・・・」
http://kachiel.jp/blog/%E7%84%A1%E4%BA%88%E5%91%8A%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%AF%E9%96%8B%E7%A4%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%82%82%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB/
これら無予告調査の内容について全て
知っていた・正しくできている、と
言い切れる税理士は少ないかと思います。
事前通知がある通常の調査はともかく、
無予告調査は顧問先が大変困り、かつ調査官と
トラブルになるケースが多いわけなので、
これを機に自身の知識を身につけるとともに、
顧問先への指導をしっかりお願いいたします。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。