2018.06.19

特官の職格と権限

※2017年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

今回は「特官(とっかん)」の
職格や権限について解説します。

「特官」はあくまでも略称で、正式には
「特別国税調査官」です。

ある程度の規模があるが(国税局ではなく)
税務署管轄となっている調査対象を管轄しています。

特官管轄になる基準は税務署(の規模)ごとに
異なっていますので、一概には言えません。

特官は自身で部門を有しており、いわゆる
「特官部門」には数名の調査官が所属し、
この調査官は通称「付(づき)」と呼ばれています。
(特官付きの調査官、という意味です)

あまり知られていませんが、特官には2種類あって、
「厚紙(あつがみ)」と「薄紙(うすがみ)」です。

「厚紙特官」・・・
国税職員の名簿でいうと、副署長のすぐ下に
名前がきます。職格でいうと副署長と同列です。
副署長を経験してから就く方もいるくらいの
職格だといえば、わかりやすいでしょうか。

「薄紙特官」・・・
国税職員の名簿でいうと、法人課税部門などの
各部門の一番上に名前がきます。
各部門に特官がいることになります。

以前は、一般部門の管轄であった調査が、
特官の管轄に変更になった、もしくは
薄紙特官の管轄であった調査が、今回から
厚紙特官の管轄になったような場合は、
単純に調査対象者の規模が大きくなったのであって、
何か特別な意図があるというわけではありません。
この点は気にしない方がいいでしょう。

特官は総じて言うとプレイングマネージャーで、
自身も調査の現場に行きますし、
調査をまとめる段階においては、
一般部門の統括官と同じく、
自身が決裁権をもって処理することになります。

ただし、特官だからといって、すべてにおいて
決裁権を持っているわけではありません。

税務署によって相違しますが、増差所得が
多額に見込まれるような調査事案であったり、
重加算税や長期仕掛事案の場合は、
副署長や署長に決裁が必要なケースもあります。

ただ、ほとんどの調査事案では
特官が判断・決裁できるはずなので、
一般部門の調査とは相違し、調査の
交渉相手は特官になることがほとんどでしょう。

税務署の税務調査では、一般部門と
特官部門を分けて考える必要があります。

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一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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