相続税法第58条通知に関する法改正
※2022年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは
「相続税法第58条通知に関する法改正」です。
税務署から
「相続税の申告等についてのご案内」
「相続税についてのお知らせ」
「相続税申告のお尋ね」
が届くことがあります。
税務署が情報を把握していることには、
法律的な理由があります。
相続税法第58条では
市区町村が税務署に通知する
義務が設けられています。
—
(市町村長等の通知)
第五十八条 市町村長その他戸籍に関する事務をつかさどる者は、
死亡又は失踪そうに関する届書を受理したときは、当該届書に記載された事項を、
当該届書を受理した日の属する月の翌月末日までにその事務所の所在地の
所轄税務署長に通知しなければならない。
—
相続税法第58条通知書は
通称「ゴッパチ」と呼ばれたりします。
相続税法第58条の規定による通知書
と検索すると様式もヒットします。
詳細は資産税事務提要に規定されています。
各市区町村から所轄税務署に通知される情報は
・被相続人の情報(相続開始日含む)
・相続人情報
・被相続人の地方税
・固定資産情報(固定資産税評価額含む)
・相続開始前3年以内の異動
などがあります。
この相続税法第58条通知ですが、
デジタル・ガバメント実行計画
(平成30年1月eガバメント閣僚会議決定)
に沿って、令和6年度に相続税第58条通知の
オンライン化の実現させることになります。
そこで、令和4年度税制改正により
これまでと異なる手順が示されました。
1.法務大臣から国税庁長官への通知(相法58(1))
2.市町村長から税務署への通知(相法58(2))
イメージとしては以下のとおりです。
・従来
相続人等が死亡届を市区町村へ提出
→ 市区町村が相続税法第58条通知を
書面にて所轄税務署へ
→ 所轄税務署は手入力により
国税庁KSKシステムへ
・改正後
相続人等が死亡届を市区町村へ提出
1.戸籍関連情報等の連携
→ 法務省の戸籍情報連携システムと
市区町村の戸籍データが自動連係
→ 法務省の情報(死亡届の情報や戸籍情報)
が国税庁KSKシステムとオンラインで連携
2.固定資産税情報の連携
→ 市区町村の情報(固定資産税情報)
が国税庁KSKシステムとオンラインで連携
参考URL:財務省 令和4年度税制改正の解説
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/explanation/PDF/p0596-0611.pdf
■適用関係
上記の改正は、
令和6年3月1日
又は
戸籍法の一部を改正する法律
(令和元年法律第17号)
附則第1条第5号
に掲げる規定の施行の日
(令和元年5月31日から5年を
超えない範囲内の日)
のいずれか遅い日以後に適用されることになります。
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