税務行政の目指す方向性はAI導入も
※2017年6月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
6月下旬となり、税務調査もいったんは
落ち着いた時期となりました。
すでに7月以降の調査予約が
入っている税理士も多いことでしょう。
さて、つい先日、国税庁から
「税務行政の将来像〜 スマート化を目指して 〜」
という資料が発表になりました。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/syouraizou/index.htm
この資料を見ると、マイナンバーによる
税務行政の効率化、など誰でも予測できる
課題以上に、「AIの活用」など、
かなり突っ込んだ方向性が示されています。
国税が目指す方向性の詳細については、
上記の資料を見ていただくとして・・・
興味深いのは、その前提・背景となっている
事実・統計資料です。
「税務行政の将来像」の概要 5ページ
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/syouraizou/pdf/gaiyou.pdf
税務行政の将来像 16ページ
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/syouraizou/pdf/smart.pdf
※この2つは同じ統計資料となっています
状況を簡潔にまとめると・・・
〇以前から申告数は増え続けている
〇一方で、国税職員の数は減っている
〇電子申告の普及は進んでいる
(申告の処理効率は上がっているはず)
⇒ 総合しても、税務調査の割合
(実地調査数÷調査対象数)は、バブル期より
半分以下になっていて大変問題
ということです。
この問題・課題に対する具体的な対応策として、
〇申告内容の自動チェック
(マイナンバーによる資産額との連動など)
〇AIを活用した調査選定
〇AIを利用したコールセンター運営
(簡易的な誤りの是正など)
などが挙げられています。
国税がここまで突っ込んだ内容の将来像を
開示するのはかなり珍しいことです。
私の個人的な感想としては、まだまだ
KSK(国税総合管理)システムが不完全
な中で、AIなど大きな目標を立てたものだな、
とは思いますが、一方でここまで発表する
のですから、今後の予算取りも含めて
大きくAI導入などに動くことが予想されます。
10年後の税務行政が、本当にこの発表のように
なることを想定して、会計事務所業界も
大きな変革を求められることになりそうです。
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