税理士法改正による税務調査手続きへの影響
※2022年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
令和4年度税制改正により税理士法が一部
改正されましたが、それら改正内容の中で
税務調査に影響がある項目を解説しましょう。
なお、本改正の施行は内容・項目によって
今年(令和4年)4月や令和6年4月など施行日に
バラつきがありますので注意してください。
まずは、すでに今年4月から施行されている
税務代理の範囲の明確化です。
税務官公署に対してする主張、もしくは陳述の前提
となるような、更正通知書や賦課決定通知書等の書類
の代理受領行為は税務代理に含まれることが、
改正後の通達によって明確化されました。
通達2-3(税務代理の範囲)の改正です。
「「税理士法基本通達の制定について」の
一部改正について(法令解釈通達)」
具体的には、税務代理権限証書を付して
提出した更正の請求書など、その結果通知を
e-Taxに格納、税務代理人である税理士は
専用ボックスにて納税者宛の通知等の内容を
確認できる、という実務対応(の確認)です。
また、税務代理権限証書に関しては、
令和6年4月から大きな改正が入ります。
改正前と改正後の様式は下記です。
具体的には、改正後の税務代理権限証書には
「調査の終了の際の手続に関する同意」の欄、
および「税務代理の対象となる通知書等」の欄が
追加されることになります。
現時点では、「調査の終了の際の手続」について
別途同意書の提出がなければ税務代理人に通知が
できない(納税者本人に行わなければならない)
と規定されていることから、この煩雑さを
取り除くため税務代理権限証書が改訂されます。
現行手続きの詳細は下記をご覧ください。
併せて、税務代理に関する代理関係が終了した
場合の手続として「税務代理権限証書に
記載した税務代理の委任が終了した旨の通知書」
を税理士が提出することになります。
この様式は下記になります。
「[手続名]税務代理権限証書に記載した
税務代理の委任が終了した旨の通知」
今までは、顧問契約など税務代理が終了しても
税務代理が終了したことを明示できずに、
顧問契約終了後も税務署から事前通知など
連絡があったわけですが、この通知書が新たに
できることによって、明示が可能となります。
上記を含めた税理士法改正については、
日税連のサイトではすでに公表されていますが、
認識・理解している税理士・会計事務所は
少ないようなので、ぜひ注意してください。
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