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2019.11.15

誤った回答は虚偽答弁=重加算税になるのか?

※2018年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

税務調査において、納税者が勘違いしたまま
発言・回答してしまい、問題になることがあります。

先日も下記の調査事案で相談がありました。

〇個人事業主から法人成り
(調査対象は法人)

〇法人成り後の通帳管理について調査官から質問
「法人の売上として計上すべき入金が、
A銀行以外の預金以外にないのか?」

〇納税者は「ない」と回答

〇後日調査官の調査により、B銀行口座への
入金が数件あったことが判明

〇B銀行口座は法人成り直後に使用していた
個人名義の預金口座

この売上漏れが重加算税になるかどうかは、
この納税者の発言・回答が虚偽答弁に
該当するかどうかにかかってきます。

なお、虚偽答弁であれば重加算税になる
というのは下記に規定されています。

申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/pdf/02.pdf
第1 賦課基準
(隠蔽又は仮装に該当する場合)
1(8)
調査等の際の具体的事実についての質問に対し、
虚偽の答弁等を行い、又は相手先をして虚偽の
答弁等を行わせていること及びその他の事実関係を
総合的に判断して、申告時における隠蔽又は仮装が
合理的に推認できること。

上記の例でいうと、確かに納税者は
「事実と相違する回答」をしているわけですが、
事実を知りながら事実と相違する回答であれば
虚偽答弁として当然重加算税が課されるべきです。

一方で、「忘れていた」「勘違い」「思い込み」
であれば、虚偽答弁にはならないわけです。

ここは最終的には事実認定の問題になるわけですが
数年前のことをすべて覚えている経営者なんて
いるわけもなく、たった数件の、
数万・数十万円の入金であればなおさらです。

回答・発言と相違した事実が発覚した場合は、
調査官に対して「虚偽答弁なのではなく、
忘れていただけ」「勘違いしていた」
ということをいかに主張できるかです。

また、税理士としては顧問先に対して、
税務調査においては「事実関係がはっきりと
覚えていない内容に関しては積極的に
発言しないこと」「確認してから回答します」
と言うように指導することも必要です。

虚偽答弁=重加算税になるかどうかの
論点は対応が面倒で、重加算税を賦課したい
調査官としても譲れない論点です。

ぜひ、顧問先の発言・回答に注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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