質問応答記録書の提出拒否と内規改正
※2020年3月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
本サイトでは何度も重加算税を取り上げており、
その中で「質問応答記録書」の提出拒否に関して
解説したこともありますが、これに関する国税の
内部規則(内規)も改正されていますので、
これについて最新版で解説します。
なお、以前の規定内容と比べたい方は
下記の過去記事をまずご覧ください。
「質問応答記録書作成の手引について(情報)」
ですが、平成29年6月30日に大幅に改定
されていますが、今回は税務調査において
質問応答記録書の提出を求められた際に、
どのように拒否するのかを取り上げます。
上記内規(改正後)では、
「問28 回答者が署名・押印を拒否した場合は、
どのように対応すべきか。」という質問に対し、
下記の回答が規定されています。
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まず、回答者から署名・押印を拒否する理由を確認する。
回答者が、記載内容につき追加・削除・変更の申立てが
あることを理由に署名・押印を拒否した場合、
質問応答記録書の本文に当該申立て内容を追記し、
改めて署名・押印を求める。(略)他方、
回答者が、記載内容につき追加・削除・変更の申立てが
ない旨を述べながら、署名・押印を拒否した場合、
又は回答者が署名・押印を拒否する理由を述べない
場合には、(略)署名・押印をするよう説得する。
ただし、署名・押印を強要することはもとより、
そのような疑義を生じさせる言動をしないよう留意する。
(以下、略)
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非常に長いFAQなので、かなりの部分を
省略していますが、骨子はこうです。
〇調査官は署名・押印をひたすら説得する
(国税得意の「粘り強く説得」です)
〇納税者としては質問応答記録書への署名・押印は
あくまでも任意であることから拒否できる
(調査官は強要することはできない)
調査官は税務調査の現場で「内容に間違いがないなら
署名・押印できますよね」などと煽ってきますが、
そのような言動に惑わされる必要はなく、
【どのような状況であっても】質問応答記録書に
署名・押印する必要などないのです。
質問応答記録書とは、税務署が重加算税を課す
事実認定のために必要な書面であって、
質問応答記録書を提出することで
納税者が有利になることなどあり得ません。
税務調査で調査官に、質問応答記録書の
提出を執拗に迫られた場合は、上記の内規
をもって明確に提出を拒否してください。
次回は、上記内規のうち
税務調査立会いに必要な知識・対応方法を
もう少し範囲を広げて解説します。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。