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2022.06.17

質問検査権の要件・範囲を理解する(調査の対象者)

※2021年6月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

毎週金曜の本メルマガでは、税務調査を体系的に理解する
内容を連載で解説していますが、前回から引続き
質問検査権を取り上げます。今回は「調査の対象者」です。

質問検査権(調査)の対象者は、正確には税目ごとに
その範囲が異なりますが、大きくは下記の3分類です
(国税通則法第74条の2第1項一号~)。

1 納税者(納税義務者)=被調査対象者
2 被調査対象者の取引先=反面調査先
3 法定調書の提出者=法定監査

上記1に関しては当たり前になりますが、上記2の
反面調査も質問検査権の行使の範囲となります。

反面調査については、税務調査とは別途の規定が
あると考えている方も多いようですが、あくまでも
質問検査権の範囲内であると理解してください
(質問検査権の相手方が違う、という理解です)。

上記3については、いわゆる「法定監査」も
質問検査権の範囲と定められています。
法定監査については下記記事を参照してください。

「法定監査とは何か?」

また、調査対象者の範囲については、下記の
通達において「従業員なども含まれる」と
ありますから、併せて確認が必要です。

「国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達」
1-4(質問検査等の相手方となる者の範囲)
法第74条の2から法第74条の6までの各条の
規定による当該職員の質問検査権は、それぞれ各条に
規定する者のほか、調査のために必要がある場合には、
これらの者の代理人、使用人その他の従業者
についても及ぶことに留意する。

また、相続税に関する質問検査権については、
所得税・法人税などよりも調査対象者の範囲が
広く規定されていますので注意が必要です。

国税通則法第74条の3第1項第一号に規定する
調査対象者を列挙しておきます。直接的な
相続人だけが調査対象者になるわけではありません。

イ 相続税法の規定による相続税又は贈与税の
納税義務がある者又は納税義務があると認められる者

ロ 相続税法第五十九条(調書の提出)に規定する
調書を提出した者又はその調書を提出する義務が
あると認められる者

ハ 納税義務がある者等に対し、債権若しくは
債務を有していたと認められる者又は債権若しくは
債務を有すると認められる者

ニ 納税義務がある者等が株主若しくは出資者で
あつたと認められる法人又は株主若しくは
出資者であると認められる法人

ホ 納税義務がある者等に対し、財産を譲渡したと
認められる者又は財産を譲渡する義務があると
認められる者

ヘ 納税義務がある者等から、財産を譲り受けたと
認められる者又は財産を譲り受ける権利があると
認められる者

ト 納税義務がある者等の財産を保管したと
認められる者又はその財産を保管すると認められる者

今回は質問検査権の対象者の範囲を解説しましたが、
来週の本メルマガでは「調査の対象物」を取り上げます。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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