贈与を受ける財産の取得の時期
※2023年5月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは前回に引き続き
贈与を取り上げます。
内容は
「贈与を受ける財産の取得の時期」です。
贈与財産として最も多いのは、
圧倒的に現金預金が多いかと思います。
そのため、
直近令和3事務年度の贈与税調査の状況
でも、申告漏れが最も多い財産も
現金預金となっています(69.2%)。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/sozoku_chosa/pdf/sozoku_chosa.pdf
まずは、今回取り上げるテーマ
「贈与を受ける財産の取得の時期」
に関する通達をご紹介します。
—相続税法基本通達
(財産取得の時期の原則)
1の3・1の4共-8 相続若しくは遺贈又は贈与による財産取得の時期は、
次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。
(昭38直審(資)4、昭57直資2-177、平15課資2-1、平17課資2-4改正)
(1) 相続又は遺贈の場合 相続の開始の時(失踪の宣告を相続開始原因とする
相続については、民法第31条((失踪の宣告の効力))に規定する期間満了の時
又は危難の去りたる時)
(2) 贈与の場合 書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、
書面によらないものについてはその履行の時
—
上記(2)において
贈与の場合における財産取得の時期が
明記されています。
(→部分は木下補足)
書面によるもの:
契約の効力発生時
→
贈与契約の成立時になるため
贈与契約書における日付の証拠力を
上げておく必要があります。
(確定日付など)
書面によらないもの:
履行時
→
・現金贈与であれば現金手渡し時
少なくとも領収書などがあること
が望ましいと考えます。
・預金贈与であれば振込時
預金履歴に記載されますが、
通帳に手書メモなどを
残しておくとよいと考えます。
当該通達を読めば読むほど
贈与契約(民法549条)が
成立していることを課税庁側にも
主張できる材料が必要というのが
強く理解できます。
我々税理士としても
贈与契約を成立させ
成立の証拠を残すことが
必要と強く感じます。
その意味は
当該通達により税務上の重要性
家族間紛争による法務上の重要性
どちらも重要なことは
前回お伝えしたとおりです。
また、補足として
以下のご確認もお願いいたします。
当該通達は原則的な
取扱いであるため、これらの
例外として以下が定められています。
・停止条件付の贈与による財産取得の時期
(相基通1の3・1の4共-9)
・農地等の贈与による財産取得の時期
(相基通1の3・1の4共-10)
・財産取得の時期の特例(不動産等)
(相基通1の3・1の4共-11)
参照URL:国税庁HP
タックスアンサーNo4402 Q2
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
著者情報