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2026.01.05

重加算税に適正に反論する方法(まとめ)

※2024年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

毎週水曜の本メルマガでは6月中旬から全15回にわたって
重加算税(+粉飾の是正方法)について解説してきましたが
今回はシリーズ最終回として、税務調査において
重加算税と指摘された場合の反論方法をまとめます。

税務調査において重加算税と指摘を受けた場合、
調査官に対してとりあえず「なぜ重加算税なのですか?」と
質問してください。これがマストです。

先週水曜のメルマガでも書きましたが、
「何をもって重加算税」なのかがわからない限り、
適正に反論することはできません。

この問いに対して調査官から仮装・隠蔽以外の根拠が
出てくれば「重加算税の課税要件は仮装・隠蔽なので
それであれば重加算税にはならないですね」と
簡単に反論することができます。

とはいえ、ここで引き下がる調査官は少ないでしょう。
多くの場合、「○○だから仮装」「●●の行為が隠蔽」
など、こじつけた指摘がさらに入ってきます。

仮装とは、本来1万円の取引を10万円にする、
本来の取引先がAのところをBにするなどの行為を、
隠蔽とは請求書・領収書などを破棄し売上除外する
ことなどの行為を指すわけですが、調査官が指摘する
仮装・隠蔽なる事実認定が、本当にこの語義に
当てはまっているのかを考える必要があります。

一方で、仮装・隠蔽という言葉の定義・範囲については
法令解釈通達が存在しませんので、税目ごとの
事務運営指針の内容と照らし合わせる必要があります。

「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/hojin/100703_02/00.htm

「申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/pdf/02.pdf

「消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/shozei/000703/01.htm
「相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sozoku/170111_2/01.htm

「源泉所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/shotoku/gensen/000703-2/02.htm

簡単な主張・反論としては「事務運営指針のどこに
該当するのですか?」と問うことです。

さて、ここまで主張・反論したうえで並行性になる
ケースも多々あります。なぜなら、仮装・隠蔽という
言葉が非常に曖昧な語義・概念だからです。

次に重要な論点として、重加算税は結局のところ
【故意性がある=わざとやった】が判断基準です。

これは「ミスして隠蔽」や「うっかり仮装」という言葉が
日本語として成立しないことから明らかでしょう。

よくあるケースとしては、現金売上に関する
領収書控えがあり、一部売上計上が漏れていた場合、
調査官は重加算税と指摘してきますが、本当に
売上を抜くことを意図していたのであれば
該当する領収書控えを(わざと)見せない、もしくは
(故意に)破棄するはずですから、税務調査において
領収書控えを全て提示している以上【故意性がない】と
主張して重加算税に反論することが可能です。

このケースにおいては、故意性がない主張とともに、
「領収書控えの確認ミス」「現金の受領担当者が
経理担当者に伝えるのが漏れた」など、併せて
起こり得るうっかりミスであるかを主張してください。

これでもなお重加算税の指摘が続く場合、
「外部からもうかがい得る特段の行動」がない
ことを主張することになります。

この論点に関する詳細な解説については、
下記私の記事をご覧ください。

「外部からもうかがい得る特段の行動」
https://kachiel.jp/?p=11337

重加算税で並行性が続く場合、最終的には
前提事実が似た判決・裁決などの個別事例を
持ち出すことになるわけですが、納税者が
勝っている(重加算税が取り消されている)
公開裁決事例だけでも75件ありますので、
下記の国税不服審判所サイトも確認してください。

「隠ぺい、仮装の事実等を認めなかった事例」
https://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html

税務調査の件数が増えると、重加算税の指摘も
増えますので、ぜひ上記を参考に
適正な反論をしていただければと思います。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

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