税務調査で相手方を明かさない紹介料等はどう対応すべきか?
※2019年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
税務調査の最盛期であるこの時期に、毎年何件も
質問・相談があるのが、「紹介料・リベートなど
支払った相手方を明かしたくない場合の対応」です。
支払先が複数件ある場合に、一部の支払先だけを
明示すると、調査官はほぼ間違いなく
2つの指摘をしてきます。
・受け取った人は確定申告していない(人がいる)
・全件の確定申告を確認しなければならない
(もしくは相手方にお尋ねを発送する)
本来であれば、紹介料等を支払った金銭が
損金になるかどうかと、相手方が申告しているか
どうかは関係ないわけですが・・・
多くの顧問先(納税者)の意向は、
「相手方に課税されては困る」
「相手方に反面等行かれると紹介などが減って
以後事業上の問題が生じる」として、
自らの課税を受け入れる対応を望みます。
調査官もこの辺りはよくわかっていて、
「相手方への(適正な)課税」と言いますが、
「明かせないなら法人側に課税する」という
実質的な圧力に等しい思惑も感じるところです。
さて、このように顧問先の意向として
最優先される事項が「支払先を明かさない」
ということなのであれば、税務調査での
指摘に対して取り得る対応は、
【役員が個人的な支出をした】と
取扱うように主張するしかありません
(事実と違っても、という話です)。
ここで間違った主張は、支払手数料などを
交際費と主張することです。なぜなら、
交際費だからといって相手方を明かさなくて
いい論理は無いからです。
一方で、【役員が個人的に支出した】とすれば
あくまでも法人側の損金にする話ではなくなる
ことから、顧問先の意向には沿っています。
【役員が個人的に支出した】という扱いは、
一般的に考えれば支出額が役員賞与になりますが、
ここではさらに「役員貸付金」と主張してみる
ことが大事になります。
また、紹介料・リベートが毎年発生する法人で、
相手方が明かせない場合、どう考えても
税務調査では常に問題になるわけですから、
事前に「役員報酬」として処理することで、
税務調査で問題にならないという
メリットがあります。ぜひ検討してください。
紹介料・リベートについて「相手方を明かさない」
ことを最優先に考えるのであれば、
上記の主張しかありませんので、
ぜひ参考にしてください。
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