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2021.07.29

税務調査の日程と長期化への対応

※2019年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

税務調査の最盛期に入り、実際の調査事案について
様々な質問・相談を受けますが、つい最近
下記のような質問がありました。

「当初3日間とされていた税務調査の日程が
終わってから、調査官からさらに日程を取って欲しい
と言われたが、これは認められるのか?」

さてこの点、勘違いしている方が多いのですが、
税務調査の日程(要する期間)については
法的に定めがありません。

事前通知段階ではあくまでも「日程調整」であって、
いったん「3日間」と決めたものが、
税務調査のリミットという話ではありません。

さらにいうと、税務調査における臨場が
3日間終わったことが「調査の終了」ではありません。

「調査の終了」とは、国税通則法第74条の11に
法的に定められており、是認・更正・修正申告の
いずれかが行われなければ終了したことになりません。

ですから、法的にも実務的にも、
事前通知(調査通知)で決めた日程から
さらに追加される場合であっても、それは
調査期間の延伸という論点にはなりません。

これはおそらく、事前通知(調査通知)における
要件の1つである「調査の対象となる期間」と
勘違いしているものと思います。

「調査の対象となる期間」とは調査対象年分であり、
「3期分」「3年分」などを指します。

これに関しては、調査の日程・日数と違って
延伸について法的要件が定められています。

「調査対象期間が3年から5年に延びる要件」

極端なことをいえば、税務署(調査官)が
不明点がある、証拠収集が足りないと判断する限り、
質問検査権を行使することができますから、
それに対して受忍義務があります。

そうはいっても、税務調査が不要に長い、
不当に延ばされている、と判断した場合、
その主張としては下記のようになります。

「税務調査は臨場調査後1週間程度で結了することが
一般的で、指摘・確認事項等が多い事案であっても、
3ヶ月程度では結了すると考えておりますが、
本調査事案につきましては、調査初日からすでに
○ヵ月程度を経過しており、さらには、調査官から
今後の方向性など一切示されていないことから、
不当に長期化されているものと認識しております。
当方としては、納得できる指摘事項に対して
修正申告の意思を表示しており、修正申告の時期を
不当に遅延されると、無用な延滞税を支払うことに
なります。さらには、本調査事案では明確な結論や
方向性が提示されていないことにより、当該法人は
大きな精神的被害を受けています。」

この文章は、実際に抗弁書などで私が使っている
フォーマット(文例)です。

調査日程に関しては正しい理解が必要で、
かつ、不要・不当な長期化については
上記のように主張してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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