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2022.04.15

税務調査を受ける場所の指定は可能か?

※2021年月4配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

今回のメルマガは、多くの税理士・会計事務所が誤認している
税務調査を受ける「場所」について解説します。

まず確認ですが、確定申告書の提出先は【提出時の】納税地を
管轄する税務署(長)となります。

3月決算法人で、4月中旬に本店所在地を移転、5月末に
申告する場合は移転後の本店所在地ですし、個人の場合、
2月上旬に引っ越しをして3月上旬に申告する場合は、
引越し後の住所を管轄する税務署になります。

「No.2029 確定申告書の提出先(納税地)」

税務調査を受ける管轄税務署はどうでしょうか?
申告をX税務署にした後、移転後はY税務署の管轄になる場合、
税務調査は【実施する時の管轄である】Y税務署の担当になります。
申告先の税務署が管轄ではありません。

では、税務調査を受ける「場所」はどうなるでしょうか?
国税通則法など、税務調査の手続きを定める法令等には、
税務調査を受ける場所は規定されていません。

ですから、税務調査はあくまでも納税者と調査官の調整により、
本店所在地・住所地など納税地である必要はありません。

また、事前通知の際にいったん決定した調査の(日時または)
場所も、後になって変更することができますし、変更は
口頭によるものでいいとされています。

「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」問17

税務調査を実施する場所として、納税者の納税地以外
として実務上よくケースは、

●顧問税理士の事務所

●貸し会議室

などでしょうか。納税地が自宅である、または
オフィスに会議室がないなど、家族や従業員に聞かれる
ことを避けるため、あえて別場所を指定する場合です。

コロナ禍においては、密を避ける十分なスペースが
確保できないなども理由に挙げられるでしょう。

ただし、税務調査の実施=質問検査権の行使の行使対象は
「帳簿書類(その他の物件)」とされていることから、
税務調査を実施する場所を別に指定した場合、
帳簿書類等を移送する必要があります。

また、税務調査の実施場所はあくまでも
調査官との調整・合意が必要となります。

基本的に調査官も、指定された場所を受け入れる
ことになるとは思いますが、納税地または税務署から
かなり遠い場所である(国税局の管轄外)など、
実際には受け入れられないケースもあり得ます。

本店所在地・住所地など納税地以外を税務調査の場所と
するには、「正当な理由」なども必要ありません。

まず、納税者(顧問先)の都合を聞き、納税地以外を
指定・調整することは何ら問題はないのです。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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