2024.09.13

不動産税務に必須となる不動産取得税の取扱い1

※2023年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

今回のテーマは
「不動産税務に必須となる
不動産取得税の取扱い1」です。

今回から複数回は、
不動産特有の税務として盲点
になりがちな「不動産取得税」
を取り上げます。

1.不動産取得税の意義

土地や家屋を購入したり、
家屋を建築するなどして
不動産を取得したときに、
その取得者にかかる税金。

不動産の取得について、
・有償、無償の別
・登記の有無
・取得原因
は問いません。

そのため・・・
贈与や等価交換でも
課税となります。

贈与契約により所有権移転を
すれば、不動産取得に該当するため
不動産取得税は課税されます。

そのため・・・
・暦年課税制度
・相続時精算課税制度
・贈与税の配偶者控除
・住宅取得等資金贈与
・交換特例
などで、不動産を取得した場合で
あっても、当然に不動産取得税は
課税されることになります。

ただし・・・
一定の要件を充足する場合には、
非課税や軽減制度が適用できる
可能性があります。

2.贈与税の配偶者控除において
 注意すべき不動産取得税の取扱い

上記1.でも触れましたが、
贈与税の配偶者控除で、
配偶者に居住用不動産を贈与した場合
受贈した配偶者には不動産取得税が
課税されることになります。

贈与税の配偶者控除は単に相続税法上の
特例に過ぎず、法形式的には単なる
贈与契約であるためです。

ただし・・・
取得した家屋が
一定の要件を充足する場合には、
以下の2つの不動産取得税の軽減制度を
受けることができる可能性があります。

(1)居住用の中古住宅を取得した際の
不動産取得税の軽減制度

(2)住宅用の土地を取得した際の
不動産取得税の軽減制度

今回は、上記(1)を取り上げ、
(2)については、次回に取り上げます。

(1)居住用の中古住宅を取得した際の
不動産取得税の軽減制度

次のアイウ3つの要件を全て満たす場合
課税標準となる住宅の価格から
一定額※を控除することが可能となります
(地法73の14(3))。

※ 新築された日によって
100万円~1,200万円の控除額あり

ア.居住要件
・個人が自己の居住用に取得した住宅であること

イ.床面積要件
・50平方メートル以上240平方メートル以下

ウ.耐震基準要件(次のうちいずれか)
・昭和57年1月1日以降に
新築されたものであること
・昭和56年12月31日以前に
新築された住宅で、建築士等が
行う耐震診断によって新耐震基準に
適合していることの証明がされたもの
(ただし、当該証明に係る調査が
取得日前2年以内に終了しているもの
に限る。)

上記ウ.を満たすことができない場合には
平成26年4月1日以降の取得に限り、
中古住宅の取得後に耐震改修工事を行うことで
要件を満たす可能性は残ります
(地法73の27の2)。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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