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2016.06.27

この時期だからこそ注意!

※2015年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

さて、2015年の確定申告は3月16日で終わりましたが、
ちょうど今頃、税務署から電話連絡がある時期です。

税務署が机上で申告書を精査し、申告内容に誤り等があった場合、
顧問税理士に連絡してくるからです。

では、税務署から電話連絡があり、その指摘通りに
申告内容に誤りがあった場合、修正申告書を提出すれば
加算税は課されるでしょうか?課されないでしょうか??

答えは・・・

「行政指導」であれば、加算税は課されない
「税務調査」であれば、加算税は課される

となり、一概にどちらとも言えません。

こういうと、「調査は事前通知があるのだから、
電話で誤りを指摘されたことは、調査に該当しない」
と思われるかもしれませんが、それはわかりません。

調査=質問検査権の行使は、対面でなければできない
(電話ではできない)と規定されていませんので、
電話でも調査ということは、法的にはあり得ます。

また、事前通知は「原則として」行われるものであって、
事前通知がなければ調査に該当しないわけでもありません。

国税庁のサイトには下記の記載があります。

https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/ippan02.htm#a02

問2 税務署の担当者から電話で申告書の内容に
問題がないか確認して、必要ならば修正申告書を
提出するよう連絡を受けましたが、これは調査なのでしょうか。

調査は、特定の納税者の方の課税標準等又は税額等を認定する目的で、
質問検査等を行い申告内容を確認するものですが、税務当局では、
税務調査の他に、行政指導の一環として、例えば、提出された
申告書に計算誤り、転記誤り、記載漏れ及び法令の適用誤り等の
誤りがあるのではないかと思われる場合に、納税者の方に対して
自発的な見直しを要請した上で、必要に応じて修正申告書の自発的な
提出を要請する場合があります。このような行政指導に基づき、
納税者の方が自主的に修正申告書を提出された場合には、延滞税は
納付していただく場合がありますが、過少申告加算税は賦課されません。

ここで書かれているのは、「電話連絡=加算税が課されない」
ではありません。あくまでも、行政指導なら
加算税を課さない、と書いているのに過ぎません。
裏を返せば、電話連絡でも調査に該当する場合があります。

さて・・・上記の続きの一文が大事です。

「なお、税務署の担当者は、納税者の方に調査又は行政指導を
行う際には、具体的な手続に入る前に、いずれに当たるのかを
納税者の方に明示することとしています。」

と記載されています。

この「明示」が実行されているのか、甚だ怪しいことは、
税務署からの電話連絡を常日頃から受けている税理士であれば
お分かりいただけるものと思います。

だからこそ、税務署から電話連絡があり、
調査の事前通知でないのであれば、まず
「この電話連絡は調査ではなく行政指導ですよね?」
と確認しておかなければなりません。

こうすることで、加算税を課される
リスクは当初からなくなります。

税理士が思い込みで、加算税が課されないとして
修正申告を提出し、加算税の賦課決定を受けた場合、
それを取り消すには不服申立てが必要になり面倒です。

また争っても、行政指導なのか調査なのかという区分は
外形的に判断できないため、事実認定が曖昧にならざるを得ません。

ちょうどこの時期、税務署からの電話連絡は注意が必要です。
上記の確認を職員さんにも伝え事務所内で徹底してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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