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2026.04.06

調査前の修正申告に10%の加算税が課されるリスク(第2回)

※2024年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

先週水曜の本メルマガでは、事前通知後~
調査初日前に修正申告を提出したものの、
過少申告加算税が5%にならず、10%課される
リスクと最新の公開裁決事例を取り上げました。

さて今回は、つい先日あった実際の調査事案から
加算税が5%になる分岐点について解説します。

【実際の調査事案】

・税務署から所得税の調査をしたい旨の連絡あり

・その際に調査官から「海外投資に関する所得」
について調査したいと明言された(と同時に
調査において「海外資産の資料」の準備を要請された)

・顧問税理士は海外投資があることを全く知らない
(なので、当初申告には海外投資関連はない)

・顧問税理士が納税者に連絡し、資料を集めて
海外投資の収益を調査前に修正申告提出+納税

・実地調査の際に修正申告提出済みと伝えたところ
調査官は「加算税が5%ではなく10%」と指摘

・その根拠として、先週の本メルマガで取り上げた
令和5年12月7日の公開裁決事例を提示された
https://www.kfs.go.jp/service/JP/133/04/index.html

この論点は大きく言うと、「税務署が保有する
資料せん等から漏れや非違が把握されていれば
結果として事前の修正申告に10%の加算税が
課されるのか?」になります。

この調査事案においていうと、加算税の指摘に対する
反論ポイントは、調査官が事前に言った
「海外投資に関する所得」が本当に、税務署が
事前に把握していた情報と完全一致してるのかです。

本調査事案では、税務署が事前に把握していた
「海外投資に関する所得」が同じ海外(国)での
資産運用ではあったものの、実際に申告漏れがあった
ファンド(の口座)と相違していたことから、
その旨を主張したところ、調査官はあっさり
「加算税は10%ではなく5%」と認めました。

前回のおさらいも含めますが、事前の修正申告に対し
加算税が5%か10%かは「更正の予知」に
該当するか・しないかが判断基準になります。

そして、上記公開裁決事例のように

税務署が机上で漏れ・非違を把握

納税者に電話連絡

「修正申告の時点において、本件調査担当者
による調査は、その後の調査が進行し確定申告が
本件報酬を計上しない不適正なものであることが
発覚し更正に至るであろうということが客観的に
相当程度の確実性をもって認められる
段階に達していた」と事実認定
されれば、事前の修正申告であっても
10%の加算税が課される可能性があります。

一方で、税務署が保有する情報(資料せん)が
絶対に正しいわけでもなければ、情報自体が
漠然としていて金額までは把握されていない
ケースもあるわけです(上記の調査事案でいうと
ファンドが相違してるか金額は把握されていないか)。

ですから、事前の修正申告に対して加算税が
10%=更正の予知があったと指摘された場合、
税務署が事前に把握していた情報と
本当に合致していたのかを確認・追求する
必要があり、相違していた場合は反論可能です。

税務調査に選定された理由はわからないものの、
税務署が資料せんの情報から非違・漏れを
確信して調査が開始される事案も多いわけです。

来週水曜のメルマガでは、また別の判決から
事前の修正申告に10%の加算税が課されるのかを
さらに深堀して解説していきます。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

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