民事信託と相続空き家特例との関係における問題点
※2024年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「民事信託と相続空き家特例との関係における問題点」です。
前回、前々回と2回にわたり
みなし配当特例(措法9の7)の注意点を確認しました。
みなし配当特例(措法9の7)
相続税の取得費加算(措法39)
では、相続税法や租税特別措置法の一部における
「みなし相続」「みなし遺贈」による財産取得にも
適用させることを確認しました。
これに関連して今回は、表題テーマを取り上げます。
詳細は以下URLをご確認ください。
これまでの文書回答事例において
「標題のことについては、下記の理由から、
貴見のとおり取り扱われるとは限りません。」
という回答はあまりないため、
税理士業界では騒然となったのを記憶しております。
東京国税局 文書回答事例
(信託契約における残余財産の帰属権利者として
取得した土地等の譲渡に係る租税特別措置法
第35条第3項に規定する被相続人の居住用財産に係る
譲渡所得の特別控除の特例の適用可否について)
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/joto-sanrin/221220/index.htm
■概要(契約内容等)
委託者:母
受託者:長男
受益者:母
帰属権利者:長男・次男
信託期間:受益者死亡まで
信託財産:居住用家屋等
■時系列
1.受益者死亡により信託終了
2.居住用家屋等は帰属権利者2人に帰属
3.帰属権利者2人は相続のあった翌年に
居住用家屋等を譲渡
■論点
居住用家屋等の譲渡につき、相続空き家特例の
適用があるか否か
■納税者側の見解
この居住用家屋等は、
信託の終了により遺贈により取得した
ものとみなされ(相法9の2(4))、
帰属権利者が居住用家屋等の所有者であった
母の相続人である。
そのため、相続空き家控除の要件である
「相続又は遺贈による被相続人居住用家屋等の取得」
をした相続人に該当するため
相続空き家控除の適用はあると考える
■東京国税局側の見解
信託の終了による財産の移転は
「相続」や「遺贈」に該当しない。
相続空き家控除の条文(措法35(3))には
相続税法の規定により
遺贈等による財産の取得とみなされる場合を
対象に含むとは規定されていない。
帰属権利者は権利を放棄することが
できる(信託法183(3))。
そのため、残余財産の取得を
相続又は遺贈による財産の取得と
同様に取り扱うことはできない。
前段部分の理由を確認します。
冒頭で申し上げましたが、
・みなし配当特例(措法9の7)
・相続税の取得費加算(措法39)
では、
相続税法における「みなし相続」や「みなし遺贈」
による財産取得を含むと規定されていました。
これにつき、相続空き家特例(措法35(3))では
以下のように規定しています。
—
相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を
生ずる贈与を含む。以下第5項までにおいて同じ。)
による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の
敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む。
以下この項において同じ。)が、・・・
—
つまり、「みなし相続」や「みなし遺贈」
による財産取得を含むと規定されていません。
平成28年度税制改正において導入された
相続空き家特例の制度趣旨が「空き家問題の解消」
であったことを鑑みると、
民事信託による財産取得の場合に相続空き家特例を
適用させないというのはその趣旨に反している
としか思えません。
信託税務については、平成19年の信託法改正に伴う
信託税務の改正から改正が入っていません。
個人的には民事信託が普及し
税制改正も柔軟に行われることを期待したいです。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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