みなし配当特例(措法9の7)の注意点(2)
※2024年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「みなし配当特例(措法9の7)の注意点(2)」です。
前回の続きになりますが、前回の内容を少し復習します。
■適用要件
1.相続・遺贈により取得した株式
2.相続税の納税が生じている
3.相続開始の翌日から3年10か月以内
の金庫株取得であること
4.法定の届出を提出すること
1.に関して、条文の一部を取り出し
そのうちの一部(事業承継税制)に関する
取扱いを確認しました。
今回は、残り一部とその他の論点を確認します。
相続税法の規定により
相続又は遺贈による財産の取得
とみなされるものを含む。
ここでいう相続税法による
「みなし相続」「みなし遺贈」
を含むとされています。
「みなし相続」により財産を取得するというのは
生前贈与により取得した財産につき相続時精算課税を
適用した場合が想定されます(相法21の15、21の16)。
また、「みなし遺贈」により財産を取得するというのは
民事信託における財産取得が想定されます(相法9の2)。
具体的には以下のとおりです。
委託者:父
受託者:長男
受益者:父
帰属権利者:長男
信託期間:委託者の相続発生時まで
(相法9の2(4))
上記に関しては、質疑応答事例があります。
以下を確認してみてください。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/20/05.htm
ちなみに、この扱いは
・みなし配当特例(措法9の7)
たけでなく、
・相続税の取得費加算(措法39)
に関しても同様の扱いがあります。
2.3.については、追加の補足説明はありません。
4.「法定の届出を提出すること」に関しては、
細心の注意が必要になります。
具体的には以下のとおりです。
―――
その非上場株式を発行会社に譲渡する時までに
一定の届出書を発行会社を経由して、
発行会社の本店又は主たる事務所の
所在地の所轄税務署長税務署に提出すること
(措令5の2(2)(3)、措規5の5)
―――
国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_54.htm
この手続きは2段階必要になります。
第1段階:
みなし配当特例を適用しようとする個人は、
その非上場株式を発行会社に譲渡する時までに
提出する必要があります(措令5の2(2))。
これを発行会社に提出することで、
発行会社に受理された日に税務署に提出された
ものとみなされます(措令5の2(6))。
第2段階:
発行会社は、譲り受けた日の属する年の
翌年1月31日までに本店または
主たる事務所の所轄税務署長に
この届出書を提出する必要があります(措令5の2(3))。
通常、個人が発行会社に自己株式の取得を
してもらう場合、「みなし配当」が生じるため
発行会社にて配当源泉をし、翌月10日までに
所轄税務署に納付することが必要になります。
今回の「みなし配当特例」を適用させる場合、
通常の配当源泉が不要になりますが、その代わり、
4.の届出書を提出する必要があります。
当該届出書の存在を頭の中に残しておく必要が
ありますので、ご注意ください。
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