暗号資産の相続贈与に関する課税関係整理2
※2024年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「暗号資産の相続贈与に関する課税関係整理2」です。
前回は、暗号資産を相続した後に売却した場合の
課税関係と問題点を確認しました。
今回は、暗号資産を贈与した後に売却した場合の
課税関係を整理します。
前回の日経記事は相続後の売却でしたが、
今回は「贈与」後の売却として検証します。
1.10年前の2014年12月上旬にビットコインを
100BTC(約460万円分)購入
2.2024年12月4日時点で約14億3700万円に急騰
3.この段階で長男へ全て贈与
(贈与者側)
→ この段階で贈与者はその贈与時における暗号資産の価額(時価)を
総収入金額に算入する必要があります(所法40(1)一)。
暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
平成30年11月(令和5年12月最終改訂)
2-10 暗号資産を低額(無償)譲渡等した場合の取扱い〔令和4年12月更新〕
P30上を参照してください。
→ 令和元年度税制改正により、暗号資産は棚卸資産に準ずる資産と
規定されています(所令87)。
→ そのため、贈与時における暗号資産の価額(時価)については、
通常販売価額を指しますが、実務上は、事業者が、
通常販売価額のおおむね70%以上、かつ、取得価額以上の金額を
もって帳簿に記載し、これを事業所得の金額の計算上
総収入金額に算入しているときは、
当該金額でも認められることになっています(所基通39-1、39-2)。
→ 従って、14億3700万円×70%-460万円=約10億円(雑所得)
であるため、所得税・住民税が55%とすると、
贈与者は5.5億円の税負担が生じることになります。
→ 贈与し資金を得てないにもかかわらず税負担が生じますので
贈与する際には慎重な判断が求められます。
(受贈者側)
→ 贈与時の時価で贈与税課税がされます(暦年+特例税率を前提)。
14億3700万円×55%-640万円=約7.8億円
→ 相続時精算課税であれば、税負担を抑えられますが、
贈与者の相続発生時までに高騰すれば税メリットはありますが
下落すればデメリットとなります。
4.受贈者が贈与により取得した暗号資産を贈与時の価格で売却
→ 前回の相続の際には、被相続人の取得価額を引き継ぎました
(所令119の6(2)一)。
→ ただし、贈与の際には上記3.のとおり、贈与者は
時価の70%が総収入金額とされましたので、
受贈者は贈与者の総収入金額を取得価額として
雑所得の計算を行うことになります。
→ 14億3700万円-14億3700万円×70%=約4.3億円(雑所得)
であるため、所得税・住民税が55%とすると、
受贈者は約2.4億円の税負担が生じることになります。
上記3.4をトータルした税負担は16億円弱となり
相続の場合と同様、税率が100%超となってしまう
可能性が残ります。
相続の場合と異なり、無償で渡す贈与者にも
雑所得課税されますので、贈与者にとっても厳しい税制となります。
暗号資産を贈与するという選択は慎重に判断した方が
よいと考えます。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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